Trend-Blue

  ~懲りない傾向~

フェリーニのように

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蒼のサンクトゥス入院中の仕事の合間(笑)に読んでいた、ブラネテスの他の漫画が、やまむらはじめさんの「蒼のサンクトゥス」。ウルトラジャンプなんてのは手にしたことのない雑誌だったので、2007年前後に書店で見つけたときにはコミックスが3巻くらい出ていたと記憶しています。検索をしてもこの漫画のことはほとんど紹介されていないのですが、ジャンルで言えばSFの海洋冒険譚。やまむらさんの作品をすべて読んではいないものの、僕の趣味的には、このあとに描かれた「神様ドォルズ」よりも面白いし、これってアニメーション化してもいいのではないか(海洋物は当たらない、というジンクスは過去のものだと思うし)と推したい物語です。

外宇宙からの来訪者が地球上の特定の海域に勝手に自らの生存可能領域を作ってしまう。

その領域は外界と隔絶され、地球上の技術力ではこじ開けることもできないし、入れたとしても生存できない環境変異が起きている。

そこから脱出できた人々は環境変異の影響を受け、特殊感応力を有するに至ったが、それゆえに世界各国からの様々な利害接触を避けるために新興宗教という隠れ蓑を立てざるを得なくなった。

一方で、環境変異の比較的外延部では、常温核融合を可能とするレアメタルが変異副産物として発見され、唯一、小笠原海域に生成された領域(脱出をしてきた人々もこの海域からのみ)を有する日本だけが、国際社会から離反独立してこれを独占する社会。ただしレアメタルの大半はアメリカ合衆国がピンハネし独立を黙認している。

そもそもレアメタルが確認できたのは、変異領域の奥に何があるのかを突き止めたかった冒険者たちの挑戦に発する。

そのような背景を背負った世の中で、世代交代した息子や娘たちが、先達に教えられながら自らの意志で挑んでいこうとする・・・大いなるファーストコンタクトへの道。

というところでしょうか。

作画はまだ粗削りながら、ツボを押さえた登場人物が物語を引っ張っていく中、彼らが乗り込む採掘船のかっこいいこと。安彦良和さんが描いたクラッシャージョウ(安彦さんは原作者ではありません、挿絵を描いた)のミネルバ以来のと言ったら時代が開きすぎなくらい、シンプルで機能的な船体が魅了します。

でもって、この採掘船に「ノヴェンバー・ステップス」だとか「ハーリ・ヤノーシュ」だとか、思いっきり趣味性の高い名前が付けられている。やまむらさんご自身が音楽好きだというプロフィールを知って、そりゃなるほどと思わされるネーミングがまた良いのです。挿絵に使ったコマの左が「ノヴェンバー・ステップス」。右の小型船は、これまたまったく異なる分野から名前が付けられている「ベンダバールⅡ」。それぞれの船名については、書き始めたらきりがないのでお調べください。

「そして船は行く」というサブタイトルは、その昔、フェデリコ・フェリーニが撮った映画の題名。やまむらさんは、少年時代よりちょっとあとに、この映画を観ているのかもしれません。明日リリースされる、「そして艦は行く」と副題された映像ソフトのあれよりも、きっと深読みできるサブタイトルのような気がします。

 

2 Responses

ウォ―ターフォウルズの活躍ばかりに眼がいってしまいますが
物語の端々にちょこちょこっと登場するバイクやSUVなども、
どれも近未来の魅力に溢れたデザインで大好きです。

あ、みなとサンとさんごサンも好きです(笑)。って、
解る人にしか解らない、コアな話題はいけませんねェ(^_-)

  • いやなんといっても野島崎司令がいい味出してます。
    ああいう上官になりたい(部下はたまらんだろうけれど)

    ウォーターフォウルは模型があったらほしいですね。付属品で作業ポッドやスクーターなんかも付いてくる超合金魂、出てほしかったなあ。