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  ~懲りない傾向~

空と水と

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flight今日から二日間、土浦市では11回めを数える御当地興しのカレーフェスティバルが開催されるのですが、これはもうリンクを貼っとけば説明も不要の行事として定着しています。それじゃあカレーの町興しで土浦が80年代以前の活気を取り戻せたかというと、それはどうだかな? と感じるのは個人的見解。何年か前に土浦京成ホテルが閉店となり、そこのココナッツミルクカレーが食えなくなった時点で、僕の中では完結した感があります。

それでもかなり混雑するカレーフェス会場。にぎわうのは事実。もはや近づくのが億劫で(だめじゃん)通わなくなっているのが本音です。

そしたらことしのイベントの一部に・・・一部に、たぶんこれは実際にはかかわっていないような気がするのですが、「東日本復興水上空港ネットワーク構想研究会」という任意組織の水上飛行機デモフライトという趣向が企画されているのを知りました。日大工学部名誉教授の井澤岬さんが立ち上げ、現在は助手であった轟朝幸教授が引き継いでいる、水上飛行機の輸送能力によるイノベーションを模索するプロジェクトの一環です。

平たく言えば、本土と離島を連絡している観光や物資輸送、医療にかかわるコミューターネットワークの応用で、その拠点を霞ヶ浦に置き、首都圏各地、三陸沿岸、小笠原などとの水上航空網を整備しようぜ。という構想。なんでまた霞ヶ浦で、水上飛行機なのかと言えば、こういうことです。

航空法上、飛行機の離着陸ができる「陸地」は、国が指定した場所でなくてはならない。同様に「水面」は、国が禁止した場所では一切離着水できない。あれ? じゃあ禁止されていない水面はよろしいと。ならば禁止されている水面を消去法で探し出して行けば・・・と思ったら、実はそういう場所が無い。

というわけで、宍道湖や霞ヶ浦には、個人や大学の航空工学研究室、クラブレベルの小型水上機が離着水し、ささやかな(しかしコスト的にはかなり高そうな)レジャーが成立しているのです。前述の研究会は、これを素材にインフラとソフトを模索しており、昨年夏にも沿岸の首長を集めて講演などを展開しました。

しかしながらこんな話をいきなり持ちかけられても、需要と供給が見えてこない段階故に、雲をつかむような話にしか聞こえなかっただろうな。というのが、昨年夏に井澤さんに呼ばれて講演の席に居合わせた際に感じた印象でした。湖畔で機体の受け入れや水面へのアプローチを管理している人たちの努力は感服するものがありましたが、それとこの構想とはまだ接点がクロスしても同期するには至っておらず、へたにかき回せば彼らの積み上げてきた遊び場に要らぬ規制がかからないとも限りません。

これが消えちゃうかどうかは、実際に霞ヶ浦から離水し、どこか適当な水面に不特定多数を連れて行ってあげることが必要だと思っています。まあそういう予算をどこから捻出するかが一番大変なんですけど、実体験を伴わなければ感想すら聞けないし、実体験といってもそれが実用化されているバンクーバーあたりでやったところで意味は無いわけです。

ことしのデモフライトは、実は昨年、機体トラブルで実現できなかった計画の雪辱戦。デモ、の部分をどこまでやるのかは聞いていませんが、首長レベルの偉い人じゃなくて小中学生とそのお母さんあたりを乗せてあげることができれば、その方があとにつながる可能性を残すでしょう。

なんて井澤さんに電話とかしようものなら「じゃあお前が来い」とか言われそうなので、間に合わないタイミングでこっそり提言しておく卑怯者な自分でした。

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