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  ~懲りない傾向~

今さらあとへは引けないぞ

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2016/10/16 10:24

飲んだくれでならず者の鍛冶屋のジャックが悪魔をだまくらかして(このくだりは長いので省略)自分の魂を奪わせない約束をしたがために、彼は死後その報いで天国に行けない身の上だから地獄に赴くものの、あの悪魔と再会して「お前の魂は獲らない約束だぜ」と地獄からも追い返されてしまう。ただそのとき、もともと人の好い(人なのか?)悪魔は地獄の炎のかけらを分けてくれたので、ジャックは近くにあった蕪をくりぬいて炎を収め、ランタン代わりにした・・・

ケルトの伝説じゃ蕪だったのに、しかもそのくりぬき方の伝わり方は世にも恐ろしい形をしていたのに、この逸話がアメリカに渡ったら蕪が無かったものだから南瓜で代用されてしまい、ケルトの宗教感も薄れてパーティーグッズへと凋落してしまうのでした。

ところで南瓜はもともと中南米が原産地で、アステカ、マヤ文明の頃には重要食糧であったことが知られています。だけど現在、世界第一位の生産国は中国。種が食材となっています。アメリカは生産国としては第五位くらいですが、彼らは律儀にジャック・オー・ランタンのために観賞用カボチャってのも作っているのです。

わが国にはポルトガルからカンボジア経由で持ち込まれたらしく、かぼちゃ、の語源はそのあたりにあるようです。中南米原産の割には、我が国の生産トップは北海道。中南米でも標高の高い寒冷なところで生まれたのかなあと思ったら、第二位が鹿児島県と、けっこう生命力が高い。でもって日本ではオレンジ色のパンプキンよりも緑色のスクウォッシュの方が一般的ですが、これまた律儀に日本でもジャック・オー・ランタンに緑色の奴は普及していません。

もっと言っちゃえば、すでにアメリカで宗教色が薄れていますから日本でなんてもう初めっからグッズの域。しかも、日本には江戸時代から生産されていた干瓢があるのに、蕪から南瓜へと転じたいきさつを重んじ干瓢で代用する・・・などというユーモアも(栃木県内ではやってますが)一般化はせず、今さらあとへは引けないぞとばかりにオレンジ色の奴らがはびこっているのです。

さてもハロウィン。先日利用したファミリーレストランの洗面所にも居やがりました。が、こいつがいるだけで、普段は何も考えずに手洗いに使っているハンドソープの色が、なんとなく怖くなっちゃうところが不思議です。これ写真に撮ったら濃紺なんですが、肉眼で見たときにはほうれん草でも煮詰めたのか?というほどおどろおどろした濃緑色に見えてたのよ。

グッジョブな飾りつけだぜデニーズ(もちろん褒めてます)

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