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  ~懲りない傾向~

こちらは「夕鶴」

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来年秋には半世紀前の、と言われるであろう「乙女チックマンガ」の代表作(の、ひとつ)に『つらいぜ!ボクちゃん』という作品があります。ボーイッシュで三枚目ともとれる高校生・田島望、実はナイーブで瞳キラキラの女の子(左図の下の娘)。そんなギャップと飽きもせず次々と降りかかってくる恋のさや当てが面白かった。少女コミックの連載を初めて読んだのは途中の巻頭カラーの回からで、それ以降毎週少女漫画雑誌を買う羽目に陥りました。

もっともそれが続いたおかげで、後に同誌に移籍してくる「サイボーグ009」とも巡り会いますがそれはまた別の話。田島望は演劇部に所属し裏方活躍の娘でしたが、文化祭で主役が怪我をして代役の「ロミオ」をアドリブで演じ、役者の才能を垣間見せます。その後、「夕鶴」を主演することになるのですが直前に恋人が大けがをして輸血が必要とされ、彼女から採血が行われ、貧血状態のまま舞台に上がったものの・・・

数日前に書いた「つる‐鶴‐」の吉永小百合よりも早く、ただし「つるの恩返し」よりは遅く、彼女「おつう」を見ることとなった貴重な出会いなのですが、作者の高橋亮子さんの作画は乙女チックで本を買うのもこっぱずかしい、ただ田島望の伏目の表情と唇の描き方がとてもかわいらしく、引っ張られてしまったのです。そこを差し引いても、「竹取物語」や「雪女」以上に、「つるの恩返し」や「夕鶴」は琴線を揺るがす作品でした。

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