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  ~懲りない傾向~

幻想との再会

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あえて「石森」章太郎さんと書きますが、生誕80年を迎えるとかで、自伝的萬画集が出版されていました。この人の作品との出会いは、叔父貴が読んでいた雑誌をもらって「サイボーグ009」連載のリアルタイムだったけれど、ずっとあとになってから自ら買い求めた少年ジャンプに載っていた「蒼いマン華鏡」という読みきりは、009のようなSFものではない、ファンタジックなストーリーとの邂逅でした。

単行本の表紙絵(オリジナルはモノクロ)が、その掲載内の見開きページに使われていました。そのストーリーは、東京から仙台までサイン会か何かに招かれた石森さんが、当時運航されていた特急あおばの車内で体験した、自分自身の過去の記憶のリピートという自伝でもあり幻想ドラマでもある不思議な時間。この頃僕は009だけでなくミュータント・ザブだとか仮面ライダーの連載も(佐武と市捕物控は、ジャンルが異なるので棚上げしとく)知っていたので、この「蒼いマン華鏡」や「ジュン」などの作風には、ヒーローものにはない大人の時空を突きつけられた思いがありました。

そりゃ小学生ですからね。びっくりするわけです。しかも引き込まれてしまう。そんな作品だったのですが、まさかね、あれから45年も経って、再会するとは思わなかった。これが以前、どこか何かでの掲載を経ていたかどうかは知らないので、まさしく再会なのです。でもって、そんなに昔のことだったのに、同じ場面でジーンとくるという・・・

しかしこの本、全体で言うと玉石混合です。初めて読むものも、他に昔読んだものもあるんですが、その1作品だけが際立っていました。

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