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  ~懲りない傾向~

そうこうしているうちに35年

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細かいことを言うと少年サンデーでの連載開始前に、月刊ニュータイプのコラム(ゆうきまさみのはてしない物語)連載上で「機動警察パトレイバー」のベースとなった企画段階仮称作品の片鱗が登場しています。そこはこの際棚上げして、メディアミックスの先駆けとも言われるパトレイバーの初登場は、1988年4月6日のサンデー誌上つまりコミカライズ版が最も早い。後にアーリーデイズと呼ばれる最初のОVAは同月25日に第1話がリリースされます。

30周年のときにも触れていますが、パトレイバーのデビューはスズキエスクードのデビューと同い年なので、本年はやはり35周年同士。しかしそれらは作品との時系列で、物語の路線上では98式AVと同世代になるのは二代目エスクードです。もちろんエスクード自体は出てきません。それでも20世紀末の巷には、二代目どころかかなり多くの初代エスクードが現役で闊歩していたわけで、イングラムと絡めたイメージはいくらでも創り出せそうです。

45年前の2028年

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模型のスケールから推測すると、全高は1mに満たないらしいサイズになるのですが、何となくそれよりも大きな気がします。その上ダイス船長との比較で見たら、たぶん鉄腕アトムやジェッターマルスの方が小さいんじゃないかとさえ思えるのですが、そこは「ヒトが乗って操作する」という括りで逃げることにします。その範疇においては、おそらく最小サイズの「ロボット」。え? ロボットなのかこれ? とも言いたいのですが、どうも万能工作作業用ロボットと謳われているのです。

この機械が稼働するのは2028年と、もうすぐの未来なんですが、その歴史上世界は2008年にほぼ滅んでいるので、壊滅を免れたインダストリアルにおいて、枯れた技術の寄せ集めとして制作されたものと考えられます。量産されており、力仕事から指先の細やかな作業まで、単純なレバー操作でたいていのことができて、かなりレベルの高い体幹バランス制御も可能という優れものです。

「未来少年コナン」は1978年4月4日の放送開始。45年前に量産機(ただし兵器ではない)というコンセプトでなんとなく現実的な作業機械として登場しており、これをロボットとして見た場合、あとはアナライザーロボット(宇宙戦艦ヤマト)とロペット・ワーワー(宇宙海賊キャプテンハーロック)とロペット(超電磁ロボコンバトラーV)とドンゴ(クラッシャージョウ)のどれが小型かという競争になりますが、重ねて言うけどみんな自律型。さらに自律型ではアメリカ映画の「サイレントランニング」に出てくるドローンやフォンブレイバー(ケータイ捜査官7)のサイズには敵わないのがわかっちゃってるので、深追いはしません。ロボノイドに関しては操縦型ロボの一例として見ております。

 

これもまた40年 と 15年

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例によってロボノイド(未来少年コナン)の背丈には及びませんが、ダンバインやイングラムの全高を大幅に下げてきたスコープドッグは、同時に量産兵器と工業製品の姿をこれでもかというほど突き詰め、テレビアニメーションの巨大ロボットものに大きな楔を打ち込んだと言えるでしょう。ここまで来ると、もうロボットではなく装甲強化服の色合いの方が強いような気もしますが、胸部内に操縦席があるので強化服でもない。1983年はロボットの道具・兵器観が水平展開した頃です。

スコープドッグさえ、この年の秋に登場するモト・スピード・ジャケット(機甲創世記モスピーダ)にサイズ的記録を譲ることになりますが、あちらは純然たる強化服扱いなので、ロボットものという括りで考えると、「装甲騎兵ボトムズ」には爪ロボ(新造人間キャシャーン)やザク(機動戦士ガンダム)を経た量産機という概念を主役格に持ち上げた発想の頂点への到達かもしれません。スコープドッグの3m台には飛影(忍者戦士飛影)や龍神丸(魔神英雄伝ワタル)などもありますが、前者は自律型ロボで対象外、後者は操縦型ですが「魔神」でちょっと異なります。しかしモスピーダよりもあとに2mサイズの光武二式(サクラ大戦)が、ボトムズ世界のアーマードトルーパーに近い存在として現れるようです。

は? ロボノイドどうすんだって?

3日後に出てきますのであしからず。

もう一点、ただしこれは自律型ロボットなので今やっている?操縦型ロボシリーズには入れないのですが、15年前の4月2日に、フォンブレイバ-と名付けられたガラケー携帯電話が変形する、つまり変形前は手のひらに収まってしまう優れものが登場します。「ケータイ捜査官7」には、あの当時でないとできなかった、折りたたみ型携帯電話に手足が生えるばかりかオプションのブースターフォンと合体までするという、近未来技術の可能性てんこ盛りな番組でした。

手のひらサイズと言ったら「ゴールドライタン」の方がずっと小さいんですが、「7」はそれをアニメではなくプロップとCGを駆使した特撮で描いたところがエポックでした。僕の友人にはわざわざ電話のキャリアをスポンサー会社に乗り換え、フォンブレイバ-7と同型のケータイを購入し、さらに限定で販売されていた「手足パーツ」を買い求めて「7」に仕立てて常用していた人がいます。

燃える宇宙1978

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地球人とバッフクランのような、宇宙を滅ぼしてしまう業のぶつかり合いがあるから、ガイゾック星人みたいに査察型コンピュータドールを作って悪意に満ちた文明を消去しようとする業も生まれいずるのでしょう。全米で勧善懲悪ものから始まったスター・ウォーズが盛り上がり始めた1977年、宇宙人の末裔でスーパーロボットと母艦持ってる網元なんてある意味憧れの対象にもなりえたはずの神一族は、どんどん凄惨な運命をたどりだします。

喩えていうと、「デビルマン」よりも「ハレンチ学園第一部」の方が怖くて恐ろしい物語だったように、「無敵超人ザンボット3」は、あとから見ることとなったがために「伝説巨神イデオン」のカタストロフなど寝言は寝て言えな気分になる巻き込まれた人々の凄惨さと、その元凶となってしまった戦うほどに報われない主人公の運命を突き付けられ、なんだってこうも毎週毎週憂鬱な気分にさせられるのかと話数が進むごとに思わされたのがザンボットなのです。

それでも、イデオンが滅亡からの再生で大団円に至る、後は野となれ山となれ的な顛末とは異なり、ザンボットでは絶望の淵に落ちてきた主人公に駆け寄ったのが、それまで彼らを忌み嫌ってきた故郷の人々だったという哀しい救われ方が描かれていました。これが無ければ、後の機動戦士ガンダムの「脱出」も無かったことでしょう。宇宙が燃えた日からいつのまにか45年が経ってしまいました。「接触編」「発動編」を冷めた目で観られるのに、ザンボットは未だに平静で観られません。

 

これはこれで32年

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結婚して最初に夫婦で観た映画が「動戦士ガンダムF91」だったというのは、今さらですけどそれでよかったのか?な選択だったかもしれませんがそれこそ今さらの話です。

「赤い彗星じゃあるまいしの鉄仮面がかっこ悪い」とか「ガンダム(F91)のデザインがとっても厭」などと家内は言っておりました。

F、フォーミュラと言えば、当時はマクラーレンホンダの快進撃で、アイルトン・セナが3度目のワールドタイトルを獲得した年回りでした。この年の夏に本田宗一郎さんが鬼籍に入ってもいます。そういうレース世界とは直接のかかわりのないガンダムでしたが、フォーミュラマシンのデザインをモビルスーツ(ガンダム)に持ち込もうとしたというアイデアは、F91の形をあらためて眺めても成功したとは感じられません。

宇宙世紀0123年3月16日に始まるこの作品は、いくつかサイドストーリーができたものの、映画に続く本筋というか本家版は作られることなく、続編として最も近いところが長谷川裕一さんの「クロスボーンガンダム」となっていきますが、クロスボーンの物語は映像でも見てみたいと今なお思っています。間接的に宇宙世紀の延長上に生まれた「機動戦士Vガンダム」の方が、ガンダムとその派生モデルとしては優れたデザインでした。

 

 

悪を蹴散らす嵐の男

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エスクードミーティング仕切り直しの準備のさ中ですが、「シン・仮面ライダー」の封切りだというので観てきます。細かい話はのちほど。

誰がどう作っても、本郷猛の登場と一文字隼人の登場の仕方は大きく変えられないし、改造人間のデザインワークスの変化に目が行ってしまうのです。今回、それくらいドラマの方は安心して観ていられます。

脚本を手がけた庵野秀明さんによれば「こんな仮面ライダーがあってもいいよね」という所感だそうですから、あれでいいと思います。シン・ウルトラマン、シン・ゴジラに比べたら、興行的には弱い気もしますが、仮面ライダーのファンのために作ったところが伝わってきますから、いいんです。何年か前にあったFIRSTやNEXTにくらわされた詐欺行為の鬱憤は晴らせました。

多くの人々は、「これは『仮面の世界』編でもう一回!」という感想を抱くのではないでしょうか。たぶんそれは実現しないと思うけれど、僕はそう感じましたよ。

それにしても、そう思わせてくれるラストシーンの猛と隼人の対話が流れる場面で、延々と続く橋を渡っていくサイクロンにはやられました。そこで出てくるのかこのやろーっ(笑)

謎の目カニクス 後編

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前編で「眼の奥で操縦する」ジャンボーグAを引き合いに出したのは、古今東西の巨大ロボ(ジャンボーグAは『宇宙サイボーグ』なんですが)を動かす際、最も合理的な手法をとっていたからでした。脳波と四肢の動きをトレースして操縦するため、座席は愚かセスナ機の操縦系は見事に無くなっています。にもかかわらず、2号となったジャンボーグ9はシートに着座しハンドルとギアチェンジとペダルで操縦する。9を手足のように動かすのはかなり難しいシステムです。

ザブングルに至っては、合体変形によって乗っていたコクピットが背中に行ってしまうため、わざわざ場所替えです。とにかくこの操縦系で殴る蹴るの捌き方をどうやっているのかは謎でしかありません。慣熟していくうちに機体の電子頭脳(この時代の番組だからAIなんて気の利いたものは設定に無い)が細かい動作を覚えて補助していくのでしょう。それでもハンドルとペダルには妙な説得力が宿っているのです。なんだかいつの間にか目の奥の話じゃなくなってしまいました。

あれもこれも35年+

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1988年製ならもれなく35周年なわけですが、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』が3月12日の封切りから本日で35年目を迎えます。キャラクターデザイナーが安彦良和さんではないため、絵的には好きではない上(まだ文庫本挿絵を描いた美樹本晴彦さんの方がまし)、1年戦争から14年も経過しているのにシャア・アズナブルのものの考え方が成長もしていない情けない展開で、映画としては自分の中では低評価でした。

この映画が上映されていた頃、スズキが小型車の新しい四駆を春に正式発表するといった話題は取り沙汰されいました。その小型車こそがエスクードなのですが、当時、1600ccもの(もの、なんですよ)排気量はスズキのエンジンとしては想像しにくいサイズでした。既に1300ccはジムニーに搭載されていたので、技術として不可能ではなかったのです。それでも開発当初はそのG13Aが使われるかもしれないという検討もあったらしく、5月の発表まで「ほんとかなあ」と半信半疑でした。

なにしろこのとき550ccのジムニーに乗っていた僕ですから、この排気量はまさにガンダムとνガンダムほどの違いを感じさせていたのです。

ところでこれは40年ものなんですが同日だったので

思い出すのが遅くなってしまいましたが、「クラッシャージョウ」の映画公開が1983年の同日でした。モブシーンが、アニメ漫画ファンにとってはひとつの見どころのような瞬間ゲスト出演芸のオンパレードでしたが、ああいうのは今見るとうっとおしいだけで好感持てません。とか言いながら、アルフィンにぶっ飛ばされる宇宙海賊が、今は亡き漫画家の和田慎二さんだったりしているのは、しょーがないなあ許しちゃおうかなーという贔屓目もあります。

しかしこの作品は、原作本の挿絵で安彦良和さんが描いていた宇宙船ミネルバの、河森正治さんによるブラッシュアップ版の美しさが何より目を引くのでした。118mちょっとの全長という小型ながら万能汎用能力を詰め込み、航空機型と宇宙往還機を融合したフォルムは優れものです。それを初監督しながらキャラクターデザインと脚本と絵コンテと作画監督までこなした安彦さんの仕事はまさしく「宇宙が熱い」でした。

謎の目カニクス 前編

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唐突に頭の中に渦を巻いてしまいました、巨大ロボットの「眼?」はなぜ光るのだ?。こんなのは「機体が起動して通電するから」で全然かまわないんですが、ヒト型ロボットとはいえそれだけの外部視認用に顔が付いているわけじゃないだろうと。例えばマジンガーZの両眼部分には光子力ビームの発射装置が組み込まれています。ビームの放射システムはよくわかりませんが、光子力エネルギーをレンズか何かで収束して発射するとして、そのために常時、加速器がスタンバイ状態?

そうでもしないと一声叫んでスイッチ入れた直後にビーム発射できないよな? と半分納得するしかない。しかしガンダムの場合、両眼部分の用途は全く異なり、サブカメラとビームライフルの照準とリンクするなど様々な光学センサーが仕込まれている。光学センサーを使う際に余計な光源があっても問題ないのか? 1年戦争時の地球連邦側モビルスーツで双眼の機体はガンダムくらいのもので、試作機ゆえのトライアルがあって、結果的に量産機にはガンキャノンのようなゴーグルタイプのスクリーン内に必要な機器を詰め込んでいますから、ガンダムの眼が光るのもヒカリモールス信号機能などより開発者の趣味でしかないような気がします。

ビーム兵器もカメラ・センサーも用いない「眼の奥」用途もあります。ジャンボーグAやレッドバロン、マッハバロンのように、眼の奥に操縦系があるもののなかで、ジャンボーグはセスナ機からヒト型に変形したのち、パイロットは脳髄と四肢を外部からの伝達ケーブルでリンクし動きをトレースさせるという優れもの。一方、ザブングルのように自動車運転の延長上に操縦系を持ち込んでしまう荒っぽいことをやっている。巨大ロボットの頭部の考え方って、未だに謎が多いです。

三冊合体六倍化

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こんな重いもんキーボード上に載せたらいかんっ

以前、つくばーど®サイトの「toys hanger」コンテンツについて、ネットの海のどなたか知らない人が「長谷川裕一の考え方に似ている」とか「同じ人か関係者」とか言っていたことがありますが、漫画家の長谷川裕一さんとは面識ありませんし、ゆえに関係者でもないのです。そう言われたことについては、当時は「うちのはあの本や元になったトークイベントなどには頼っていねーよ」と憤慨しましたが、今考えると「逆にけっこうすごいじゃん」と考えられるようになりました。

その本というのが、長谷川さんによる「すごい科学で守ります」に始まる新説空想科学読本のことです。

画業四十周年を記念して、あのシリーズ三冊をまとめたグレート合体愛蔵版とやらを、まあまあさほど高い値段を付けずに出しちゃったところに感服しますが、なんだよこの分厚さと重さは。ページを開けにくくてしょーがねーよ。細かいところに最低限の修正を施したと云うけれどもはやどこがそうなのかわかんねーよ(笑)

仕事とはいえこのところずっと、小難しい専門書を斜め読みばかりしていたところなので、すっかり中身を忘れているこの本を読んでアタマを柔らかく出来ればと思います。内容もさることながら、長谷川さんのタッチで描かれる戦隊ロボやらメタルヒーローやらの挿絵を眺めるのも楽しいのです。てことで、本項の表題がどこから持ってきたものかがわかる人っているんだろうか?