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  ~懲りない傾向~

プチ逃亡

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逃亡っつたって仕事は休日です。日中、少しは走らせないとバッテリーが心配なので、こちらへ来て初めての、仙台の外へ散歩に出かけました。

全然絵になっていませんが、背景は松島湾です。位置関係を呑み込めていなかったのですが、知らないうちに登米市まで伸びていた三陸自動車道を使わなくても意外と近所。これなら三陸道も利用すれば石巻まで足を延ばしてもお散歩コースです。なるほど丘を越えて下りはじめに見えてくる松島の風景は、日本三景と呼ばれるだけのことがあります。芭蕉の時代はそれこそ何日もかけてやって来たのだから、感動もひとしおだったことでしょう。

インプットされている知識と実景の違いにも驚きで、湾を見下ろす高台からの印象ばかり思い描いていましたが、湾に沿って南下しながら走っていくうちに、突然、目線の高さにエメラルドグリーンの入り江が飛び込んでくるのはびっくりです。場所によっては、防波堤にさえぎられているとはいえ、道路の方が水面よりも低くないか?と思わされるポイントもあるのですね。眺めて素晴らしいだけではないところ。うーん、仙台・松島・石巻をBレイドのステージにしたいけれど、ここまで参加者が来るかなあ・・・

松島は牡蠣祭りの真っ最中。もたもたしていると身動きが取れなくなりそうなので、牡蠣を食いたくない人種としてはさっさと脱出して石巻へ・・・行ったら行ったで石ノ森萬画館もコスプレ大会の真っ最中。これもたまらんと混まないうちに飯を食って登米市の中田町へ移動し、石ノ森章太郎ふるさと記念館を見学すると、JAF会員には町が発行した記念館の要覧をもらえるという特典ができていました。

ここには練馬にあったトキワ荘の、ほぼ原寸大自室が再現されていますが展示物は撮影禁止。記念館からほど近い生家に足を運びます。

どこかに似ていたような記憶をもって生家に入ってみて思い出した。家の一階部分の基本構成が、土浦の吾妻庵に非常に似ているのでした。吾妻庵は蕎麦屋なので、厨房部分の配置が異なり比べ物にならないほど大きいものの、土間から遠くに続く座敷の配置は同じなのです。一方、石ノ森さんの生家には、土間の階上に勉強部屋が残されており、昭和10年代後半から20年代にかけて使われていた勉強机が残されています。

9年ぶりに眺める勉強部屋。この机から「二級天使」が生み出されて、『漫画の神様』をも嫉妬させる才能が溢れ出ていった。僕は叔父の存在によって、「サイボーグ009」の連載当初から石ノ森さんの作品を読み始めていますが(もちろんその当時、内容が分かっていたはずはありません)、世界の枠を超えてしまう巨大な作品群の原点は、こんなに小さなスペースだったのだなあと、あらためて感じます。