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  ~懲りない傾向~

里山にて

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写真は3年ほど前の曲り家で、今は茅の葺き替えも済み内部修理も済んでいます。東日本大震災では遠野も地震の影響を受けましたが、この建物はびくともしなかった。もちろん屋敷自体は80年代に建てられたものだから古いわけではないものの、それでもざっくり築30年は過ぎています。まだ悟道の里山プロジェクトが始まったばかりの頃、ここを見せられ、真野さんは建築としての堅牢さだけでなく、日本という文化伝統を有形無形問わずに残していきたいのだなと感じました。

お寺の本堂では遠野八幡宮やら出羽三山から多くの宮司が訪れ、それこそ宗教宗派関係ないわという祭礼を開き、里山内では様々なジャンルのバンドが演奏を繰り広げ、遠野って地元のお祭りでにぎわうのは年に4回くらいだったよな? と思うくらいの人出です。言っちゃあなんですが、こんな日に選挙投票日なんかぶつけてきちゃってさ、と、何に意志表示し期日前投票すればよかったのかと首をかしげるほど、ここには共通の民意があります。

でも、真野さんの思いは政治だとか宗教だとかとはかけ離れたところにあって、だからこそ20を越えるというボランティア団体がこぞって協力に出て来られるのだなあと感じさせられます。

来年以降は、当面は農業体験やら健康増進教室などを定期的に開き、宿泊も可能になっていくそうですが、健康増進教室ってなんだそれ?

「ここを修繕している間、近所のお年寄りが野菜や漬物や煮物を持ってきてくれて、これが皆、山葡萄みたいな天然素材で味付けや漬け込みされている。その表れだと思うんですが、皆さん長寿で元気なんですよ」

それもひっくるめて伝統文化をつなぐ。真野さんは日ごろは廃プラスチックのリサイクルを手掛けていますが、リサイクルの六次化というのは、再利用や再生といったプロセスを地域社会に広め、廃棄物も暮らしの一部という連結を唱えているのだと、彼の考え方をとらえています。人や物をつないでいくものの考え方も、そのような経験が培ったのでしょう。真野さん、四十代半ば。オヂサン的な言葉を借りれば、バイタリティにあふれています。ただあの教室の料金は高く、内容を見ると、聞いた話とは異質で馴染めんなあ。