東北勤務時代、北東北の町々で「十六団子」を御呼ばれする機会が何度かありました。山の神が里へ下りてきて、ぼちぼち田畑を耕す人々を支えてあげるぞという時期が3月16日のこととされ、出迎えのために団子を16個備える風習です。それとは別に、里人が食する分をいただいたのですが、地元に戻って来てからは、うちの方ではそういう習慣は残っていなくて、山の神には赤飯を備えるのがならわしで、それは旧暦の11月のことです。
これもまた十六団子に似たもので、一年間農耕を支えてくれた山の神が帰っていく際、土産代わりに食ってもらうわけです。ただ地元で・・・というか少なくとも我が家では3月の十六団子はやっていません。罰当たりにも団子はお茶うけとなって自分の胃袋におさまってしまうのでした。