1985年当時の雑誌記事内容を記憶からサルベージすると、「高速移動型へ可変するモビルスーツ」「当座の敵は巨人族を名乗る特別部隊」「中国系の名前を持つヒロイン」というキーワードが取り沙汰されていました。この年の3月2日に放送開始となった「機動戦士Zガンダム」は、スポンサーの意向によって、人気を盛り上げていた「トランスフォーマー玩具」への対抗措置と云われていますが、これらのキーワードには別の番組の影がちらついているような気がします。
「Z」は一年戦争の七年後を舞台としていますが、続々と新鋭機が出る(しかも可変機体などはかなりのコスト高)軍拡の時代と感じます。その一点において、「めぐりあい宇宙編」の大団円が薄められたようでいやだったのです。巨大ロボットは昔から戦う道具という宿命を背負っているので致し方ないけれど。後年、物語の改変まで行って「フィルムが全て」という以前のポリシーを曲げるなど、「Zガンダム」は翻弄され、それでもそこから40年ものシリーズ化を築く礎となりました。