JAFによる統計資料を基にしているという、タイヤ点検サービスのPOP。高速道路における出動事例のうち、最も高いサービス内容が、パンクした車両からの救援要請コールなのだそうです。
NEXCO東日本の支社に尋ねても、同様の説明が返ってきました。東日本大震災以降、特に東北道でのパンク件数が多くなっているという話は、被災地で瓦礫などを踏んで、釘や鋭利なものを刺したまま走って・・・ということかもしれません。かくいうBLUEらすかるも、高速道路上ではありませんでしたが、今年に入って一度、経験しました。
5型のエスクードからは、バックドアに背負っていたスペアタイヤが廃止され、電動コンプレッサーとパンク修理剤を標準装備する方式が採用されましたが、世間の現実はこのような数字なのでした。
これを逆の視点から見ると、つまるところ高速道路だろうが一般道だろうが、路肩でタイヤ交換をしなくてはならない危険回避を考え、JAFを気軽に呼び出せる方がなんぼか楽だし安全だということで、よほどの林道の奥地でもなければ、プロが救援に来てくれる。その判断が数字に表れているのでしょう。
しかしちょっと待て。パンク修理剤って、おそらく応急修理用の接着素材と樹脂が混合のあれのことですよ。タイヤ内部に注入して固化させ、エア漏れを塞ぐ、機動戦士ガンダムで言うところのウォールフィルムのようなもの(そういう喩えでいいのか?) これはあとからパンク箇所を修理しようとすると、固化した樹脂を除去するのが困難で、場合によってはタイヤ自体を放棄しなくてはならない。そしてあくまで応急修理剤である以上、これを使ったタイヤでその後の運用を長期間続けることは、何かあっても知らないよ、ということになるとも思われます。
ましてやガレ場のような林道を走っていると、石ころではなく礫と化した鋭利な石片でサイドウォールを切ってしまうケースがあります。こうなると修理剤ではどうにもならない。「荒れ果てた大地を切り拓くように」と、新型のカタログはうたっていますが、「視界に入る生物は私たちだけとなった」ようなところで、パンクなんかしたくないぞと考えてしまうのでした。