よもやこんな形で「マクロス7」を観返すとは思いもしませんでしたが、アニメーション業界のメディアやパプリシティでは、多分それなりの話題になっていたんでしょう・・・いたんですかね? ストーリーテラーがオズマ・リーというところが、まあなるほどな作りで、つまり舞台は「マクロスF」の世界で「7」を流してしまえという、いくらかデ・カルチャーな構成。「7」に関しては49話分をぐしゃっと圧縮しています。よくもまあこの尺にまとめたものだわと感心しながらも、裏を返せば「7」ってそれくらいの中身しかないのよということなのですが、もうあれを4クールも観返したくないわという向きにはちょうどいいかもしれません。
だがしかし待てよ。「マクロス7」は、あのだらだらと長かった、毎週毎週「俺の歌を聴けーっ」で歌詞はともかく楽曲の方がかんべんしてくれーと音を上げたくなる繰り返しの連続があったからこそ、ただのぽっと出のあんちゃんじゃない熱気バサラを育んでいったことは確かでしょう。僅かな突発事例を除けば、熱気バサラは頑なに歌で戦局を覆そうとし続けて、戦を拒むことに徹していたところは、このシリーズに登場してきた歌姫たちとは異なる存在感を持っていますから。
劇中、オズマ・リー自身が「見せてくれた。しかも新曲無しで」みたいなことを言っていましたが、総集編のような構成を史実として見せるのだから新曲があるはずがない。うわー、またかよこの曲、という展開でありながら、ついバサラの下積み暮らしをオーバーラップさせると、それはそれでいいじゃないかと思ってしまうのでした。
それにしてもマクロス30周年を締めくくると思われる映像としては、ずいぶんとやっつけたなあ・・・ こんなのよく小屋にかけたものだと言いながら、観ちゃいましたけどね。