「エスクード・マイレッジは火星軌道への到達が目的ですが、どうしてマイレッジの中の『ミッション・メテオ』の通称が『VOYAGER BLUE』なのでしょうか? ボイジャーというのは木星をはじめとする外惑星探査から、太陽系の外へ行った人工天体ですよね」
と、なんと中学生の男の子からメールをいただきました。びっくりです。地球と火星の距離、で検索すると『VOYAGER BLUE』のページが出てくるらしく、「天文学の話題なのに変わったことをやっているなあ」と、興味を持って下さったとか(二重にびっくり。というか変わってるのかやっぱり?)
火星探査計画は、専門のサイトで検索をやり直してもらうとして、嬉しいメールだったのでお答えしました。『VOYAGER BLUE』という、バリバリにはったりなこのネーミングは、もちろんボイジャー1号、2号のイメージを持ってきていますが、この二つの探査機は、もともとは「マリナー11号、12号」であったものが、マリナー計画からボイジャー計画に鞍替えしたことで、名称も変わっています。そしてマリナーは何度かの失敗をはさみながら、金星、水星探査に始まり、火星軌道への投入へと発展していき、マリナー9号において初めて、地球以外の惑星軌道へ乗せることに成功しました。
あー・・・それならば『MARINER BLUE』という名称でなければおかしいよ、と思われるのも無理はないですねえ。要は解釈のお話だったのですが、月軌道や火星軌道を目指している我々が、マリナーなのか、ボイジャーなのかという印象で比べてみたなら、それは「船乗り」ではなく「旅人」であろうということで、ボイジャーを採用したわけです。そして宇宙探査機のボイジャーは、先に述べたとおり、元々はマリナーシリーズでもあったということなのです。
彼、からのメールには「いつ頃、火星に到着するのでしょうか?」という質問もありました。これはねえ・・・正直なところ、いつになるやらまだまだ見当も付かない段階ですが、机上の空論で語るならば、2500万キロまで約4年5カ月弱を必要としていたので、少なくともあと4年から6年くらいはかかるのだろうし、10年経ってもたどり着いていないかもしれない。でも、続けていけば、いつかは届くのが数字の積み上げです。そこでゴールしても良いし、そこからさらにどこへともなく走り続けてもいい(さすがに、木星を目指して、とは恐ろしくて書けない。距離が桁違いになりますから)
そういうところまで見渡していくと、やっぱりマリナーではなく、ボイジャーとしているのは、悪くない選択だったと思っています。バイキングは火星着陸を果たしていますが、『VIKING BLUE』では語呂が良くない。
ところで、マリナー9号は、現在も火星軌道上にとどまっていて、2022年くらいまでは大気圏に引き込まれずに軌道周回しているそうです。NASAが有人飛行で火星を目指す目標は2030年代で、マリナーの回収は不可能。せめてエスクード・マイレッジは、2022年よりも前に目的を果たしたいところです。