このコンセプトモデルの佇まいや大きさなどから、ジムニーシエラのあとを引き継ぐSUV・・・と初期段階では感じたものの、どうにももやもやが残ってしばらく放置していました。が、やっぱりこれが小型クロカンの後継車とは思えない。もちろんそれは、iM‐4の在り方を否定するものではありません。クロカン要素のニーズは満たせませんが、かつてのテンロクエスクードノマドに限りなく近いという部分では、決して悪くないのですから。
ではどこにもやもやするのかと言えば、新型アルトで打ち出してきたこのシルエットです。ジムニーシエラではありえないと同時に、エスクードの系譜でもない。累計で言えば、これって初代スイフトに最も近いのではないかと考えたら、ちょっと落ち着くのです。
いやいや、スイフトは現在の形があるから、それを先祖がえりさせることはないだろう。と言い聞かせ、あくまで2000年にデビューした当時の初代に限定して考えます。つまり、それをスイフトと呼ばずに済む方法論があるわけです。スイフトと言えば、ネーミングにおいては日本のそれと海外のモデルとは車種が異なり、海外版の2代目カルタスベースモデルで使っていた名前を、日本のニューモデルに持ってきたのが始まり。だから日本で言う初代スイフトは、海外ではIGNISと呼ばれました。
これじゃないか? 量販されるiM‐4の素顔は。
焔とか炎とか篝火という意味合いを持つネーミングは、日本人受けするかもしれません(まあ「イグアナみたいでいやだ」という人も絶対にいると思うけど)。超飛躍すれば、篝火と言ったら玉鬘。美貌と数奇な運命に翻弄された彼女が描かれる源氏物語の世界です。
さすがに妄想するにしても飛躍しすぎ。名前の付け方は人でもクルマでも難しいですから、あてにしないでください。