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  ~懲りない傾向~

リサイクルの六次産業化

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JAC-1震災復興のがれき処理で知り合った、JAC(ジェー・エー・シーと呼びます。ジャパンアクションクラブ、ではない)という解体業とプラスチック廃棄物の中間処理業を営む会社が、宮城県の東北道村田インターチェンジ近くにリサイクル拠点工場を有しており、その見学におじゃましました。業務契約した地方公共団体の町から排出されたプラスチック廃棄物(菓子袋だとかペットボトルだとか)を回収・破砕・溶融して固形燃料化をはじめ二次製品化している会社です。

このリサイクル業務は、創業から20年にもなり順調に経営されていますが、社長の真野孝仁さんは、資源活用、エネルギー再生、リサイクルへの意識啓発といった視点から、ある意味リサイクルの六次産業化を図り、消費社会の中のリサイクルの文化を育みたいというテーマを抱いています。

こう言ったら失礼なことは承知で舞え置くと、企業規模としては決して大きくないこの会社が掲げるテーマとしては、志の高さに対して、背負うものが大きすぎる。それは本来、国レベル自治体レベルの政策的な取り組みでしょう。

「その通りです。が、声を上げ活動する人がいなければ、その政策も芽吹かない」

というのが、真野さんの手にした蟷螂の斧(おいおい、ほんとに失礼だな、俺)。だから思い描いたことは実行してみようというのも、真野さんの魅力です。真野さんと初めてお目にかかったのは、震災の年の今頃。石巻の雄勝でがれき処理のための特殊破砕機を拝見したときのことで、この機械がアジアに二台しかなかったもの。油脂類を抜き取った自動車を放り込むと、1分足らずで粉々に破砕し、金属と非金属に分別して処理するというドイツの機械でした。これをがれき処理に応用し実験しておりましたが、後に名取市のがれき処理現場において投入されました。

その頃既に、プラスチック廃棄物の固形燃料化以外の道を模索していた真野さんは、インターロッキングブロックに近い二次製品を自社生産するようになり、施工性の良さと耐久性の高さで少しずつ需要を獲得しています。震災以降、被災者の臨時雇用に始まり障害者雇用のA型認定を獲得し・・・と、この4年間で、この会社、なんだったっけ? と思わせるほどに、リサイクルの観点から事業をふくらませています。

jac-2今年になって、工場に大型のバイオマスボイラーが増設され、何を始めたのかと思えば「温泉が出たのでこれを加温する」という。もちろんボイラーによって沸かされた給湯は廃棄物の洗浄に使われているのですが、用途を広げて温室野菜の栽培も開始しています。この秋には、それらを組み合わせたリサイクルパークをオープンさせるため、自社施工で温泉水の利用(たぶん足湯)施設や、野菜や雑貨の販売コーナー、温室でとれた野菜を使ったピザ販売などを考えているとか。

すごいわ、それ。

さすがに自社施工で試行錯誤のためか、6月とされていた仮オープンは夏以降にずれ込んでいますが、ずれているなら今の内にアピールしちゃえばいいじゃんと、言いふらし応援を買って出ました。成功できるか否かはまだ見えませんが、これはとにかく、9月になったら再び見学企画をお願いして工場を訪ねたいと思いました。

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