新型の登場によって「エスクード2.4」と改められた三代目は、基本的には7型のまま存続しています。特別仕様のランドブリーズも、そのまま。なんかこう、エスクードノマド、と呼ばれ一世を風靡していたV6の2000が廃止されたとき、エスクード3ドアとか5ドアとかの改称をさせられたことを思い出します。いやー、廃止されたのは2000で、2500のV6は残されてたのよ。でもノマドのサブネームは取り上げられちゃったのです。
だから、今なおうちのBLUEらすかるをノマド、と呼んでくれる人がいるのは、実はちょっと哀しくなる話です。
それに比べたら、2.4、という呼称はまだましかもしれない。
しかし人の心なんてどんだけうつろうのかという、今更ながらの三代目の方がよかったコールには辟易します。やれでかいの燃費が悪いのバックドアが跳ね上げじゃないの初代がよかったのと噴き出してくる声は、だいたいのところ4代目にフィードバックされているはずなのです。
プラットホームからまったくの新規で作り上げた三代目は、クロスカントリー性能を切り捨てても骨太の四駆であることをあきらめなかったモデルですが、一時的な併売を経てもいずれ廃止となる運命。評論家がどうまとめるかは知りませんが、ジムニーとは異なる意味で、スズキのものづくりとしては傑作機に違いはないと思います。
それを棄てちゃってまで4代目に移行するのですから、4代目にも意地があるはず。褒めるところは褒めてあげなければ、そりゃあ営業さんだって売る気以前にやる気をなくしちゃうでしょう。
だけど、宮城で聞いている限りでは、4代目の納車が「たぶん来年の4月だろう」と。おいおい、オーダーした人は誰一人AllGripの性能を知らずにこの冬を待ち続けるのか。この間に3代目の需要が再燃しちゃうんじゃないかと感じますが、これもほんとに今のうち商戦でしょう。
これがマーケティングの難しいところなんでしょうね。
ユーザーの言うこと鵜呑みにすると大抵つまらないものが出来上がるし、かといってメーカー主導で新しいものを提案するのも大変だし…
カタログを眺めた限りでは今どきのトレンドを取り入れつつも、ちゃんと「らしさ」を打ち出しているように思えます。
ここで改めて初代のカタログを見ると、よく考えられているなと思います。
コストがかけられない事情もあるんでしょうけど、力の入ったカタログは作れないんでしょうね…
三代めが出て少ししてから、ユーザーを招待して、こっそりマーケティング調査的な意見交換をやりましたね。
三代めを作ったエンジニアはパジェロ乗りだったそうですから、なるほどなあという車が出来上がりましたけど、パジェロ乗りとエスクード乗りとでは、求めるものにいくらかズレもあるんですよ。
今回は、天の声で違う車にエスクードって名付けちゃったのが、これからどう受け止められるかでしょう。
車単体なら、けっこういいとは思います。
よく聞こえてくるのが「エスクードなのに1.6なんて」という声。うーん、でも初代は1.6だったし、全体にダウンサイジングして軽快になったところは、評価すべきと思うのですが。これが27年の隔たりなのかなあ…と、おぢさんしてしまうのです。
あとはAllGripがどういう性能なのか、現状のシステムを高く評価しているわたしとしては、気になります。
ダウンサイズはメーカーのエンジン整理に引っ掛かり、車体については三代めがヨーロッパのダウンタウンででかすぎと言われ、あとはどこの誰が言っているのかもわからない市場の声に応えた結論ですねえ。
なんでもかんでも電子制御してくれると、おぢさんハンドル握るくらいしかできなくなっちゃいます(笑)