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  ~懲りない傾向~

Team WESTWIN Warriors#095

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先日のJXCDにおいて勇猛果敢に駆け回ったエスクードTA51Wの「予想だにしない速さ」(他チームの印象 たぶん)は、多少はインパクトを残したらしく、後藤選手も島監督も、いくつかの質問を受けておりました。

うわ、しまった。まさか後藤君、「インクリースマシーン」とか「マーキュリー回路」とか言わないだろうな(言っても通じねーってば)

多くの質問はJ20Aのエンジンチューンについてで、ハイカムの有無あるいはそのハイカムはどこのメーカーのものか。これに対して島監督は

「申し訳ないがこっちからも聞き返しますが、エスクード用のハイカムって売ってるんですか?」

次に繰り返されたのは足回りについて、これも同様にどこのショックとコイルを使っているのか。これに対して後藤選手は平然と

「えー、コイルは純正でショックはカヤバ・・・ではダメなんですか?」

そうなのです。後藤用セッティングというのはありますが、あのエスクードには特別仕様のチューニングパーツは使われていないのです。ショックのツイン化なんて、我々に言わせれば「半分くらい後藤趣味」です。足回りだけを比較したら、うちのTD61Wの方が凝ってます。

そこはレースの世界なのでこれ以上のことは言及できませんが、島監督が競技中に耳にしていたコメントに、ひとつの答えも聞こえていました。

「一時期エスクードの足回りを移植していたけれど、耐久性が無いからやめた」

これはあとで走行動画を比較すれば見受けられますが、走らせ方の違いが確認できるでしょう。エスクードも前輪は独立懸架。跳ね回って走れば長くは持ちません。後輪のリジッドは・・・まああまり曲がるサスとは言いにくい。実際、後藤選手はリジッドリアをよく曲がらせています。それがあの鬼神のドリフト。

しかし今回、後藤選手は車のポテンシャルを今までになく引き出すにあたって、今までとは異なる走り方をしていたようにも思います。それはおそらくレースの組み立てです。熱血には似つかわしくないクレバーさの片鱗が出ていたはず。彼にとって最も手強いライバルの戦術が、車ではなく彼のポテンシャルを引き上げていたのではないかと分析できます。

そこを島監督に尋ねてみたら、彼らは空恐ろしいことをやってのけていました。いや、驚くほど基本中の基本でした。だけどたぶん、他者には模倣できない。センスだとか天才肌だとか評されていますが、彼らは努力家でした(ま、後藤君は加えて天然だし、川添君も容赦ないけれど)

つくづく感じますが、チーム全員で、よくぞあれほどのチームを作り上げたものです。何年か前に島監督が「自分の時代は終わったかな」とつぶやいていましたが、悔しいけれどレースで彼らに肉迫されたら監督はもうかわせないでしょう。

というわけで、まだ梅雨明けもしておらず天候が気になるとこですが、今度の日曜日はホームグラウンドの恋の浦にて、有志による練習走行会だそうです。練習といったって、どうせ全開で走りまくることでしょうから、見応え充分ですよ。きっと。

 

12 Responses

コース下見の時「九州のエスクードはどうなんですか?」と、多くの方から質問されました。
私は、「エンジンノーマルだしドライバーは運転がラフだからノーマークで良いんじゃない?」と、
言いつつ「たまに天才的な走りをする時があるけど」とも言い残していました。
結果を知った時保険を掛けといて良かったと。笑

後日「あのエスクードは足回りが良い感じだったけど何をしているのか?」と、
尋ねられたのですが、NEWSRの2本掛けとは言えませんでした。
なんせ聞いてきた方の使っているショック1本でNEWSR1台分買えますから。

ユーチューブで動画を見つけましたが、走りに派手さが無くまとまっていて
イメージが違うなと云う印象でした。
成長したのか、それとも今回に限り我慢したのかは次回のタカタで詳しく聞き
ましょう。

  • ド緊張とチームメイトを背負ってのプレッシャーで、良い感じに「力み」が抜けたらしいですが、今回は作戦参謀の助言が大きかったのだそうです。
    またその助言が「鬼だ・・・」と思わせるような内容で、後藤君にしてみればそれが出来なければTDAでも勝てないという展望論を突きつけられた形になりました。
    だから次回どうなることか。参謀が立ちはだかりますから。

  • うん、ボディの派手さとは違って限りなくノーマルなんですよねー。
    監督辛口の見事な返し(笑)
    取材する側にしてみればイジってある方が記事書きやすいんでしょうね

  • むかし「首都高速トライアル」という映画の主役を務めた(同じ映画で主役以外にも使いまわされた)32Rスカイラインの最後の決め台詞が「これ、車検通りますよ」というものでしたが、島さんにもそこに持って行ってもらいたいなあと思います。
    あれ、あとひと工夫でナンバーつけられると思うんだよね。いや、現状でもつくのか?

  • 窓ガラスをアクリルとかに変えているので現状では無理だと思います。

  • そうかそりゃだめだねえ。
    いや、そもそも競技用なので、だからどうしたな話なんだけどね。

  • まぁ~今のTDAでの現況ではMore Powerよりもトータルバランスを
    重視でと捉えていますが、今後JXCDをも視野に入れると、この程度では
    今の後藤のセンスでさえ太刀打ち出来ない事も分かっています。
    今回は雨によるコ-スコンディションで助けられたようなものと
    彼を含め、チ-ム全員に告げています。

    ですがそうは言っても我々の戦うスタイルは今後も変わらないですし
    変わる気も毛頭ありません(笑)
    いつも皆でサポ-トし、勝てば皆で喜びを分かち合う
    そんな泥くさいチ-ムで挑み続けますよ!

  • 長期的には、次世代の担い手が出てきてくれることも期待したいですね。
    それがエスクード勢でなくてもかまわない。
    ただし後藤・川添には敵わなかった状態で、両者の勇退へ持ち込むと(勝ち逃げ必至ね)

  • 実は次世代の発掘も始まっていまして
    現在20歳の若者を来シーズン途中辺りからデビュ-させたいのですが
    何せ宇宙人世代・・・・

    技術を教える前に、先輩を敬う気持ちや態度から教えないと、ココを覗いておられる
    方々にもご迷惑をお掛けしそうで(汗)
    でも・・・まだ何色にも染まっていない奴なんで、覚え始めると面白い男に
    化けそうな予感

  • それは楽しみな話です(えー、ついさっき島さんと直に話もしておりました)
    Team WESTWIN Warriorsを綴り始めて95回にもなるのですが、チームスタンスに澱みが無くて、レース展開へのプロセス自体が飽きさせない。これはすごいことだと思います。
    哀しいかなこちらの表現力が至らないことで、すべて伝えきれないのが難点です。

  • もしや、あの若者(息子くん)ですか。

  • その子で合っているようです。
    というか、彼を育てていくことと同時に、現役組に対して島さんけっこう恐ろしいこと考えてます。
    日曜日の練習会が思惑通りに運んだら・・・見に行けないのがもったいねーかもしれない。