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  ~懲りない傾向~

憧れの南洋幻想冒険奇譚

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渚にて津波を経験してからというもの、夏の浜辺に遊びに出掛けることがなくなりました。少し昔の人は同じような体験を繰り返しながらも、南洋幻想という太平洋のかなたに対する一種の憧れを抱き続けたようですが、東日本大震災のダメージは、南海からやってきては日本を壊滅的危機に陥れる怪獣の比ではありませんでした。

 

ま、それ以前にここ数十年の茨城の海なんて、既得権をいいことに数十メートルおきに監視員が立ちふさがり、遊びに寄りたきゃ駐車料金払えと高飛車に言いやがるので、近寄りたくもないのですが。

しかし自らの生活習慣から海岸線をオミットしても、夏になると冒険譚のような企みやら行動には触りたがる性分だったのです。現在、それが遊びではなく仕事に追われての「遠出三昧」となってしまい、まったくとは言わないけど楽しくない。

少なくとも奇譚にはならないもん。でもせめて、空想は置いておくとしても自然科学的な見聞の時間くらいなんとかならんかなーと思うわけです。

「いやいや雷蔵さん。そういう時間が得られないからこそ空想科学の冒険譚でも読みながらイマジネーションで遊ぶもんでしょ」

知人にそのようにたしなめられ、先週読んでいたのが「海底軍艦」とか「十五少年漂流記」とかではなく「パンゲアの娘 KUNIE」。すいません、ただでさえ活字に埋もれた仕事のため、夏場は活字が頭に入らないのです。

pangeaだけど、何度か書き留めたことがありますがこの漫画は「夏休みの冒険譚」という点ではとても面白い。読み切りで笑い飛ばす「光画部の夏休み奇譚」とは異なり、連続ドラマで子供たちの夏休みと大人たちの地球が大変が二極で進んでいくジュブナイルなのです。ここにたぶん意図してのことと思われますが、南洋幻想も組み入れ、南の海のかなたの神秘と怖いものも内包している。たたみかけて五冊で終了してしまったことが実にもったいないけど、そのもどかしさもまた味わいなのです。

夜中ン百キロを走って目的地近くの道の駅にたどり着いて、まず一冊目を読んで、眠気を呼び込む。続きは寝落ちした後起きるまで・・・というあ~る田中一郎さんのような器用さはありませんが、五回に一回くらいはトロピカルな風景が睡眠中の脳髄のどこかで再現されます。

ところで夏休みの臨海学校的な展開がこの漫画にもあるのですが、臨海学校という催事に関するウィキペディアの公式・非公式行事解説が思わず笑っちゃう記述です。もちろん非公式のほうね。こんなセンスは大好きです。

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