東北の林道も雪解から梅雨入りですが、あちこち土砂崩れや路肩損壊、倒木で案外リスクは高いものです。それらを乗り越えていくのが冒険だと勘違いしてはいけない。やむにやまれない状況打破であって、クロスカントリー走行の練習を積んだわけでもなく車の性能だけでクリアできるというのは極めて幸運だと思った方がよいでしょう。クロカン四駆からSUVへと時代が移り変わって車の性能向上は進みましたが、安全マージンが高まる反面、リスクに気づかない危険も増しています。
その手の障害が無かった、恵まれた林道においても、東北では昨年から入山した人がクマに襲われ命を落とす事故も多発しています。そういったリスクに対する警鐘や対策について、昨今のSUVを取り扱う雑誌が記事化することもない。スーパースージー誌でさえ書かない。あまつさえ「本来そっとしておくべきそこに大挙して乗り込んでいったことを喜々として書いちゃうのか?」というツーリング記事の方が多い。教わる手立てを知らない人々にとっては不幸なことだと思います。
クマよけの対策を施していても、出くわすときは出くわしてしまうもので、人けのない林道の路傍に立ち、いやそれ自体けっこう危険なんだけれど、鹿なり熊なりの気配を感じ取れるかどうか。これもやはり年季が必要です。となると、走ってみないことには経験値も上がらないという矛盾も生ずるのですが。
何にせよ健康と安全のために走り過ぎには注意しましょうと自らお茶を濁しますが、後ろを振り返ったらすぐ近くに鹿がいたってだけでも、けっこうビビるもんですよ。