島監督から連絡があり、先日広島で開催されたダートレースJ‐ONE・GPにおいて展開された川添哲朗選手とエスクードの戦いが、スーパースージー誌上でも取り上げられる算段になったということです。夏前の転倒で全損状態を修復した手負いのTA52W、整備してもなおフロントデフに信号が伝達されず四駆に切り替えられない、そのトラブルがよりによってJ‐ONE本戦当日に発生、練習走行をあきらめ現地でデフ玉を割っての修理、本戦5分前の修理完了、そして準優勝。
というのがウエストウインのダイジェストでした。
そりゃーこんなドラマを残しておかない手はありません。これを取材しているのは、九州かわら版や九州J通信のライター・高橋陽介さんなので、ウエストウインのチームスタイルや後藤・川添両選手とエスクードの戦歴には精通しているし、安心して次号を待つことができます。
「なんだか、場合によっては2ページ扱いだとも言われたんですよ。J‐ONEそのものが始まったばかりのレースなので、まだスーパースージーなどでは大きく扱われたことがないようで、この機会にレースの紹介を主にするのだとは思いますが」
それはそれでスタンダードな記事構成でもいいじゃないですか。ただ、ドラマであるとか臨場感であるとか、セコンドを書くというのは案外大事なことで、遠征組のウエストウインが広島まで十分な装備の用意なく出場して、まさかの故障という事態に、居合わせたチーム内外の沢山の人々が物資の調達やら工具の提供・借り受けやら、まんじりともしない時間の中で奔走した。その人々に対して、本人は負けて悔しかったと言っていますが結果ではなく記憶を刻みつけた(それでも2位獲得、準優勝はすごいんだけどね)という、その部分が血沸き肉躍るわけです。
スーパースージーのレースレポートに、そんな切り口の記事はなかなか出てこなかった。だから楽しみで仕方がありません。思わず「それはもう、つまんない原稿書けないよねえ。って伝えといてください」と、監督に伝言頼んでしまいましたよ。
今考えたら、よくもまぁ4時間でデフ降ろして修理したなと。
でも誰も降ろすことに反対する者はいなかったんですよね(笑
予選どころかエントラント皆練習10本以上走った
相手にあいつがどこまで食い下がるか?
勝てるか?なんて二の次で、ここまで来て走れない状況を
何とかしてあげたい一心でメンバ-皆、奔走してくれました
ある者は、4WDに入らないと聞いた時点で遠いホームセンタ-まで
走り出し待機してくれていました。
あとで、聞くと島さんならば絶対ここでデフをバラし始めると
思ったから、そうなるとOILとか足りないパ-ツが出てくるのは
確実なんで本戦時間が迫る中、自分に出来るのはこれくらいしか
無いといわれたときには流石に胸に熱い物が込み上げてきましたよ(汗
後藤もそうですが、こういう状況になり皆の気持ちがひとつになると
うちのWエ-スらは火事場のくそ力ではありませんが
恐ろしいくらい研ぎ澄まされた刃と化します。
結果準優勝ではありましたが、その夜奔走しあった仲間と
今日の出来事を肴に飲む冷えたビ-ルは最高に旨かった
あー、これで#125と合わせれば下書き出来ちゃいましたね。
こんな状況ですから、川添君だっていやが上にも勝たねばと意気込んだでしょうし、現場の一体感を共有できた人達の体験などは、F‐1なんかじゃ味わえなく、鈴鹿8時間耐久あたりに近い熱を感じられたんじゃないですかねえ。