南極のケンプ・ランドは、南極大陸の海岸線から最も遠い地点と言われ、昔はその概念によって「まあ辿り着くのは無理よ」と、到達不能極と呼ばれていたそうですが、1958年12月14日に、当時のソビエト連邦南極探検隊が足跡を付け、到達不能極基地を作ってしまいました。現在は雪と氷に埋もれた史跡とのことで、相変わらず南の到達不能極に位置付けられています。このような理屈に基づき、地球の大陸にはそれぞれの到達不能極が存在します。
そうかー、大陸じゃありそうな逸話だよなー。でもって行っちゃった奴なんかもいるんだろうよと、今では地図ソフトで場所だけは楽々と検索できる時代です。ただ実際に行くとなると、それらは今でも到達至難のポイントであることには変わりありません。
ちっぽけな島国の日本列島じゃできない話・・・かと思ったら、96年に国土地理院が計算上その場所と言っても差し支えない位置を突き止めていました。なるほど理屈に照らし合わせれば、スケールは小さくなっても日本のどこかに「海岸線から最も遠い場所」はあるわけです。
それが長野県佐久市田口 字榊山209-1って、番地があるのかよ。群馬県南牧村との県境付近にあたるそうですが、やっぱり到達至難のわりには測量点も打ち込まれ、標識柱も案内看板もあるという・・・
佐久市のホームページではどんな場所かの解説もしています。到達できた人への認定証も発行していることについては、安全面でどうなのよとも思いますが、秘境ってあるんだなあ。でもなんだかんだで暴かれちゃうんだなあと、ため息が出ます。