利根川を、次元断層を使わず越えて守谷サービスエリアに入り、フードコートで昼飯を食って出てきたら、ぷらすBLUEの両サイドが空きスペースになっていたので、なにげに写真撮っていたらば
「あのコンパチ、お兄さんのかね」
と、不意に声をかけられまして。
「わたしもねー、若いころあれ乗ってたんだよー。エスクードのコンパチ」
は? コンパチ? ←これ打ち間違ってるわけじゃねーです。
「コンパチいいよねー。まだ乗ってる人がいるのはうれしいねー。中古車あれ?」
歳の頃なら七十代と思しきおじさんがにこにこしながら話しかけてきて、車に近づいていこうとするのだけれど僕が動かなかったものだからおじさんわざわざ戻って来まして、
「コンパチはねー、維持するの大変でしょー? 今頃の季節になるとトップが硬くなって外したら付けにくいんだよ」
まあ、もう12月ですから開けても頭の上くらいですねえ。と受け答えしたらば
「わたしなんか無理やりファスナー引っ張って破いちゃったねー。クロカンなんかやってるの?」
いやあの通りの年式ですからコミューター扱いで、って近づくんじゃないよ俺はそっちにいかないよ・・・とまたおじさんは戻ってきて
「せっかくの四駆なんだからオフロード走らせなくちゃもったないよー。わたしらの頃は砂浜でも河川敷でもどこでも行っちゃったねえ」
このあたりからもう対話の内容は覚えるのいやになっちゃってるんで端折りますが、
「コンパチは特に軽さが武器なんだよ。無駄にパワーかけちゃだめだ。エスクードっていうのはねー、そこのところをよく考えて作られていたんだよ。どういうことかというとね、あの車体のサイズがね」
というようなことを言われた気がするんですが天の助けで電話がかかってきて、すみませんねーとその場を脱出したのです。
あの・・・弁明しますが、いっちいちうっせーなあとか、なんだよこのおやじとか、そういう意識は一切持ちませんでしたからね。もっといろいろ対話したかったんだろうになあと思いはしたんですが、たぶんきっと、コンパーチブルではなくてコンバーチブルですとか不毛なことになりそうで、逃げださせていただきました。