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  ~懲りない傾向~

まさかから出るまこと

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企業アピールのジャンルとしては極めて前衛的だった「前田建設ファンタジー営業部」が、まさか本当にドラマとして劇場公開になるとは思いませんでしたが、作ると聞かされたちょっと前にはほんとに「まさかー」と言っちゃったものです。

試写会をトンネルの貫通に合わせて現場でやるというのは、映画屋さんの企画でしょうけれどいかにも前田建設工業(これが正式名称。紹介する際は「工業」を取れって、めんどくさい会社だよね)らしいです。

本家サイトで連載されていた「マジンガーZの格納庫を作る・・・ための積算を行う」仮想リポートは、はっきり言ってまるっきり面白くなかったですよ。ただそれは、連載を物語として没入しようとしたからで、ドキュメンタリーとして受け止めていけば良かったのかもしれない。でも、当時は登場人物にもまるで感情移入できませんでした。

そのあたりを、限られた尺でまとめなくてはならない分、映画版は一般向けに分かりやすくなっているのかもしれません。過剰で余計なエフェクトがうざったい部分もありますが、立案された構造物を形にするためにはどんなプロセスが重ねられるのかをある程度知ることのできる本作は、たぶん面白いでしょう。

まあでも、試写会にマジンガー課長?が参加していたのがほほえましかったけれど、この映画は格納庫を作る見積もり作成のドラマなので、またしてもマジンガーZを特撮で作る(ちょこっとでもいいのよ)チャンスは実現しなかったようです。

映画とは関係ありませんが、試写会場となったトンネル現場は、磐越道の小野インター近くから浜通りへ向かう県道だったかの拡幅や道路改良路線の一部で、昔はけっこう迷子になりかかった道筋でした。長いこと道路改良に手が付けられなかったけれど、自治体にそれを作る財政基盤がないため国に申請して国土交通省が代行整備するという支援事業になっています。郡山市にある国の国道事務所は、この方式で福島県内ではもう三か所くらいの道路整備や改修を受け持っている、真の社会資本整備を実践している事務所です。

映画屋さんたちには、ぜひともそっちをテーマにしたドラマを撮ってほしいところです。前田建設なんて、全面協力してくれる会社ですし。

2 Responses

雷蔵サン
本ブログには関係ありませんが前田建設工業が前田道路に敵対的TOBをするとか(・_・;)
前田道路は完全拒否してますが(・_・)

  • 道路に対しての香港ファンドの接触から始まった案件ですが、考えてみれば中堅建設企業は海外投資家にとって使いでのあるターゲットじゃないでしょうか。
    そのグループの一角はさらにとりつきやすかったのでしょう。
    ものすごく皮肉なことは、F営業部の最近の連載が「ドクター地獄の鉄十字軍団をマネジメントする」という、いや皮肉と言うより暗に何かを訴えているような話だってことです。