つくば市に所在する、車やバイクのポストカードと書籍、カタログなどを取り扱うノスタルヂ屋のことは、いまさらかしこまって紹介する間柄でもありませんが、知られているようで知られていないことが、現在のお店が4店舗めだということ。
そのルーツは東京の国分寺市にあり、最初と二番目のお店は「ブックガレージ」と呼ばれていました。二番目の店舗は中野区に移転しており、そのころ、車のカタログを探して一度か二度、訪ねたことがあります。
ノスタルヂ屋、というお店は、実は古参のエスクード仲間と交流を始めたころに知ったのですが、このお店が中野のブックガレージとつながりを持つことなどは、そのときはまったく想像もしていませんでした。10年と少し前に、そのつくばの古カタログ専門店に出かけてみたら、中野でお目にかかっていることをお互いに完璧に忘却していた、店主の松浦さんと再会することとなったのです。このとき店舗は、学園都市の東大通という幹線道路に面した、低層の下駄履きアパートの1階テナントに収まっていました。
松浦さんとノスタルヂ屋とのおつきあいは、それ以来の現在に至るのですが、僕の知らない国分寺の時代にまで遡ると、開業当時は車の書籍専門ではなく、美術書や洋書なども扱う、小さな本屋さんから始まっているそうで、現在のスタイルを築いていくのに3年から4年くらいの年月を費やしている。本業を軌道に乗せるまでのご苦労も、当然ながらたくさん積み重ねております。
国分寺、中野から、つくばへ転居してこられたことは、松浦さんならではの経営戦術もあってのことで、つくばの地はちょっとした車文化の根ざした場所でもあるわけです。ただそれ以上に、磐田(静岡県)の海育ちであった松浦さんは、将来は車で走りに行ける山の近くに住もうというビジョンを抱いており、それが筑波山の近郊であったという縁に発展していきます。
そんなルーツからお店を営む松浦さんは、国分寺の開店から数えて、ことし本屋家業の30年めを迎えることになります。つくばにおいては10年とちょっとのお店ながら、その歩みは四半世紀を越えていることに、あらためて驚かされます。今回、ちょっとだけエスクードに絡めて、松浦さんをスーパースージーで紹介させていただきながら、とてもじゃないけれど書きつくせない。だから少しの補完をここで行おうと思い、松浦さんが時々書いているブログから、一遍を引っ張り出してみます。
このエピソードは、同じものが何度か再掲されているため、年次と本文内にある年月にずれがあります。また、このエピソードであるなら12月8日あたりに引用したほうがいいのかもしれませんが、ノスタルヂ屋の前身であるブックガレージが開業したころの逸話の中でも、とても印象深い出来事と、松浦さんの奮戦記を読むことができるのです。