11月7日。年次は1997年なのでちょっと半端ですが、この日スズキエスクードは初のモデルチェンジを行い、二代目へスイッチしました。
その姿は先行してメディア漏洩していたので、まさかーっとカタログを手に入れて愕然としたのはウソではありません。どこをどう切り刻んだらこうなるのか?というほど、それは突然変異していたからです。今思えば、余計なことを言ってしまった罪悪感を残しました。
余計なことと言ったら、初代が出たときにも「なんだこのかっこ悪い四駆は」と、僕はののしっていますから、まあ僕の感覚なんてアテにはならないってことです。その初代が再評価されているのとは別に、二代目はまだまだ現役で、フレーム+ボディに副変速機という構造で、昨今のうねうねしたSUVとは一線を画した、スタイリッシュなモデルに落ち着きつつあります。大人の事情でデザインが日寄ることとなったGМが倒産・国有化と解除を経てかつての勢いでないことは皮肉です。
GМに日寄らない二代目がもしも実現していたら。というデザインワークスは、実は初代が登場した80年代に描かれています。89年の東京モーターショーに出品された「constellation」(星座、の意)は、初代をデザインした片岡祐司さんによる、次期エスクードの一つの方向性でした。想定ではV6の3リッターを積む構想でしたが、評価は低く参考出品に終わりました。現代においてこのデザインラインは古びていますが、当時で言えばどのメーカーよりもSUVの姿をまとめています。
スズキ社内で片岡さんが聞かされた話では、このショーの期間中会場を訪れたジウジアローが、このモデルの前で長い時間立ち止まって見物していたそうです。二代目のデザイナーは片岡さんではありませんが、その割にはイメージは初代に「constellation」をミックスさせたようにも思えます。いずれにしても、先へ行き過ぎた二代目構想が北米需要を基に引き戻され、ぎょっとする形にはなりましたが、それでも時代を先取りしていたことは再評価すべきときでしょう。