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  ~懲りない傾向~

お前らには理解できぬ!

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十日ほど前に開館した「須賀川特撮アーカイブセンター」に行ってきたのですが、実に不愉快な場面がありました。

地元のテレビ局の、報道の腕章をつけた撮影クルーが、二階に展示されているジオラマで絵づくりをしており、ひとりが怪獣の真似をしてホリゾントの前で滑稽な動作でリハーサルをやって「こんなのじゃ怖がらないよ」「怖がらせるんじゃなくて笑わせるんだ」などと話しているわけです。

正規の取材で入っているから正当なスタンバイでしょうけれど、まあこの施設のルールで、スマートフォンと携帯電話でのみ一般来場者も撮影でき、インターネットに画像をあげることもできる。ただし、他者が映り込まないようにという条件付きで、です。よってこのジオラマを僕は撮れなかったのだけれど、そんなことはどうでもよくて、番組に導入するか、したであろう「つかみ」シーンを意図した、滑稽な動作はきわめて不愉快でした。

怪獣の真似をするなら怪獣らしく動けよ。あなたたちが滑稽さを演出して笑いを求めようという考え方は、永年にわたって着ぐるみに入って、異形の生物という命を吹き込んできたスーツアクターへの冒涜だし、特撮アーカイブセンターという施設が何のために作られたのかの理念も踏みつぶしているんだよ。そんな些細なことで腹が立ったものだから、「すみません、写真撮りたいのでちょっとずれてもらえませんか?」と言えばよかったのに、僕も大人げないんですが。

四十代くらいと三十代、二十代くらいのクルー世代だと、ここに収蔵され展示されている数々のプロップに込められた、ざっくり半世紀の特撮の、サブカルチャー以前の場所からようやくここまで来たという熱と、それらを画面に食いついて見てきた今やおじさんを過ぎようとしている昔の子供の記憶との出会いなんて、理解してもらえないかもなあと。おそらくは彼らは、ウルトラホークとジェットビートルの間に、なぜ赤と銀のホンダZが置いてあるのかなんてわかんないでしょう。

と思ったら、ジャンカーZのこともきちんと、館内配布資料に記載されていました。

須賀川市民交流センターが現在、コロナ禍対策で「福島県民以外の入館制限」をかけているため、円谷英二ミュージアムもろとも見学できないので、特撮アーカイブセンターはなかなか面白かった。だけどリピートしたくなるほどの展示量でもない。少しずつ収蔵を増やし、かつての円谷プロダクションや東宝などの倉庫(行ったことありませんが)に迷い込んだような見せ方をしてほしいと感じました。それにしてもやっぱりカラータイマーの無いウルトラマンって、見慣れないわ。

 

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