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  ~懲りない傾向~

ドルイドの祭から諸聖人の日へ

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その辺の数多の聖人を一絡げにして敬うのか供養するのか祝うのかよく知りませんが、ハロウィンが明けるとカトリックな行事に衣替えする「All Hallows Day」が、11月1日に定められているのは、土着の宗教を取り込みながら一応気を遣って、現実には葬ってしまった感があります。ケルトの司祭であるドルイドの宗教観においては、10月の末の日が1年を締めくくる「夏の終わり」で、翌日が「冬の始まり」。収穫を祝って春に備える1年の始まりという時期です。

ここを押さえておけば、反乱も起きないだろうという政治手腕もあったかどうか定かでないものの、ケルトの神話や伝承はけっこう都合よくいじられていて、聖人が舞台に登る前なら無礼講で良いぜとばかりのハロウィンという構図に思えてなりません。まあ、バカ騒ぎとは言えないんですけど、跳梁跋扈する悪霊も魔物も、翌日には征服者の腹の中に飲み込まれてしまうところが哀しい。ついでに言えば、あの世から還っているはずの祖先の影も薄いです。

この季節の変わり目。つまるところ「節分」において、江戸時代の京都あたりでは老女が桃割の髪に、娘が島田に結って、異性に化粧までして寺社へ詣でて新年祈願する「おばけ」なんて行事が行われていました。わざわざ「自分ではない姿」になるのは、節分の夜に徘徊する鬼から逃れるためで、なんとなくハロウィンの仮装と似通っています。一時廃れたこれは、花街などでの遊びとしてよみがえっているそうですが、こういう風習の起源にはつながりがありそうです。

今年は秋っぽい日々が短くて、温暖化の影響が顕著になった、四季が無くなりつつあると言われています。まあ我々の住む国では良いわけは無いんですけど、ハロウィンから諸聖人の日への、いきなり夏が終わったら冬、といういかにもヨーロッパな気候と暦の関わりってのは、今年のような体感なのかもしれません。そうこうしているうちに11月になっちゃいました。ケルトの世界じゃ3月まで冬ごもりですけど、そんな冬休みはもらえないねえ。

 

 

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