昔むかし、結婚前まで遡って家内の実家にお邪魔すると義父が出前を取ってくれて、ニラレバ炒めやら肉野菜炒めやら湯麵やら炒飯をいただいたことをぼんやりと思い出し、義父が別所に家を建てて旧宅を引き払って以来この出前が取れなくなったのがいつ頃だったか振り返ったらもう25年前になりました。義父が鬼籍に入って15年くらいだから、新居に移って住んでいたのは意外に短かったのだなあとあらためて実感します。
もうあのうまい料理を食う術は無いんだよなあと思ったら、家内が出前してもらっていたいくつかの店を覚えていて、「たぶん町中華のあの店でしょ」と教えてくれまして、Googleマップで検索してみたらまだやっていることがわかりました。
それはもう、行ってみるしかないじゃありませんか!
あれほど何度も出前してもらっていながら、暖簾をくぐったのは家内も今回が初めてです。何かの大会で受賞したらしい賞状が掲げられていて、そこには昭和54年の日付が書き込まれていました。店舗そのものはその当時から何も変わっていないであろう古めかしさで、店主が黙々と厨房を切り盛りしていました。あの当時のままの味でした。変わったのは我々の胃袋。これほどのボリュームだったのかと、完食するのに汗をかくという有様です。