マミポコさんが預け1年が経過したお嬢のレストアが、いよいよ鈑金屋さんの手でスタートされました。
やっぱり沖縄本島や久米島での四半世紀にわたる運用は、ただでは済まない状態です。彼女のTA01Wに限らず、うちのもそうですけど、一度は蓋板を剥がしてみるべきですね。
「ぶった切って付け替えるよ!」
「こんな構造体用部品、送り状やシール付きで見るのは初めてだなあ」
それにしても何処から調達してくるのか教えてほしいほどのレストア用材料の豊富さ。沖縄なので九州あたりから持ってくるのでしょうか。鈑金屋さんでは、お嬢に施す新しい色の塗料も業者発注したとか。どんな車体色に生まれ変わるのか楽しみです。
一方、福島県のパジェケンさんからTD54Wがエンジンブローしたという電話が入って、あと少しで月軌道というところなのに大変なことになったと驚きました。
数日前からエンジンの音が変だったということですが、彼もまたメンテナンスや長期展望については細心の注意を払っていた人なのです。それでもトラブルが起こるときは起こる。避けられないときは避けられないものです。
彼からの電話は「V6の載せ替えにはどれくらい費用がかかりましたか?」というものでした。4気筒ならば多少価格は下がると思いますが、エンジン以外に各所の錆の進行も進み、エンジンフードはクリア塗装が剥離しているから「この際だから一切合切やっちゃおうかとも思っています」と。
「エンジンが変わってしまったら、それはもう目的を果たそうとするクルマでなくなってしまうのでは?」
「僕も同じことを考えたことがある。だけど、ある友人が『エンジンだって部品の一つだ。タイヤを変えたらもうダメと思うかい?』と背中を押してくれたんだよ」
ここから先は僕の口出しできる領域じゃないでしょう。誰にも「なぜ」「そこまでして」と言えるものではないのです。100万キロをめざしている彼にとってこのトラブルは、まず月へ行って還ってくることの中の壁の一つなのです。