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  ~懲りない傾向~

マイティジャックを取り戻せ! 前編

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それが「マイティジャック202X」となるのか「シン・マイティジャック」となるのかは定かでありませんけど(シン・の方はヤマトに行っちゃうようだし)、迷走した名作とも言うべき「マイティジャック」をリバイバルさせられるのかどうかを妄想しております。この番組は民間企業矢吹コンツェルン総帥・矢吹郷之助によって設立された11人のエージェントからなる「マイティジャック」と、世界征服を企む秘密組織Qの戦いをスパイアクションと特撮メカアクションで構成されています。

いわゆる視聴者層を「大人向け」に設定したため、このスパイものと「万能戦艦」のバランスが合わず、脚本がうまくまとめられなかったことで、大人にも子供にも受け入れられずに13話で打ち切られ、本邦初と言われた特撮カラー版1時間番組は轟沈、30分ものに短縮され(しかし26話確保された)視聴者層を下げざるを得なかった宿縁を持っています。

何がもったいなかったかって、円谷英二さん監修の「万能戦艦出航から離水に至るシークエンス」に、途方もない手間と予算をかけた映像が、おそらく60年代生まれの少年たちのハートを鷲掴みにしながら、飛んでしまうとこの万能戦艦が大味になってしまうことでした。それでも仮に同番組をリメークする場合、このシークエンスは絶対に外せないでしょう。

万能戦艦の出航シーンは、第一話冒頭のアバンから惜しげもなく使われました。メンバーの集結も含めて描かれた海底ドックから海上浮上、離水は約4分です。「『サンダーバード』の域には到達できなかった」と、当時のスタッフは語ったそうです。その「サンダーバード」映画版で、やはり冒頭に登場する火星探査ロケット(あれロケットなのか?)には、格納庫が展開し機体パーツが組みつけられ、そのためのホイストやアームが稼働するなど約8分の尺が使われています。

しかもこの場面は1号機が密航していた間抜けなスパイの凡ミスによってメカトラブルにいたり墜落という結末。2号機が用意され同じことを繰り返します。さすがにそれでは間が持たないのか、二度めには国際救助隊による待機と護衛といったシーンもインサートされています。ここに描かれる国際救助隊の出動シーンは、「もうテレビ版でみんな知ってるよね」と言わんばかりの短縮ですが3分程度で1から3号が飛び立つおなじみのシーンとなっています。

「映画版サンダーバード」も、見どころはそんなもので、火星での探検シークエンスはぐだぐだなうえ、帰還時に待ち受けていた大気圏内飛行用パーツとのドッキング失敗で、乗組員が脱出するまで国際救助隊が活躍するも結局地上に墜落して被害が甚大という後味の悪さで幕となっています。「マイティジャック」においては、出航後にどれだけの見せ場を作り込めるかが肝で、11人のメンバーが演ずるドラマに牽引されながらも、メカアクションにこそウエートがかかっていくでしょう。

 

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