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  ~懲りない傾向~

西暦2125年

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「さよならジュピター」の映画封切りは昨年3月17日が40周年目でしたから、今になって何を書き出すんだと思われましょうが、この物語の舞台は今からちょうど100年後の太陽系を描いているのです。なぜ2125年としたのかについては根拠があり、原作者の小松左京さんはミディアムブラックホールが太陽系に突っ込んでくる(これはさらに2年後の2127年)際、「木星以外の太陽系惑星がすべて地球の後方に位置する」環境を考えていたからです。

2127年の太陽系の諸惑星軌道は、木星だけが外宇宙に向けた場所にあるらしく、小松さんはこれを軌道計算ソフトで割り出したのだそうです。物語が火星から始まる100年後、人類は180億もの人口に達し、太陽系全体にも5億人の人々が居住就労している世の中となっているわけですが、2025年の現時点ではまだ、月の裏側に整備される太陽系開発機構どころか第二次月着陸のためのアルテミス計画もまだ人類を月面に送り込めていません。

19世紀の産業革命から100年程度で、技術の発達と引き換えに、地球上の諸環境は悪化の一途をたどってきたので、果たして21世紀からの100年がこれを覆せるのかどうかは見通しが暗いのだけれど、1970年代に元々の構想を練り上げた小松さんは、世界中の紛争に対して「そんなことしてる場合じゃないぜ」という考えとともに、人類まだまだ捨てたものじゃないと、このストーリーを立ち上げたのでしょう。

「復活の日」や「日本沈没」に比べて、「さよならジュピター」は、からっとした明るさがにじみ出ています。だから読んでいて楽しく面白い。100年もの未来はもはや僕の手の届くところでありませんが、曾孫の子供くらいだと現役かもしれません。

ただし、孫の予定が全く見えてません(笑)

3 Responses

僕が今メインで書いてる話は2140年頃としてる訳です。
スマホやSNSは当たり前で衛星による通信が当たり前と
されています。こんな物なかった時代じゃ”創造”出来ていないでしょう。
ガンダムの冒頭『増え過ぎた人口が……』の件、まさか2025年に
パロディ扱いになるとは……SF難しいです。

  • 当たり前がダブってる。。あ〜何やってんだか…

  • 1965年に放送されたサンダーバードは、あの当時で2065年あたりが舞台設定でした。
    2199年を描きながら、意外と地上の暮らしは近未来感を控えた描写だったのが最初の宇宙戦艦ヤマト。
    ノベライズ版さよならジュピターでも、日本の街の描写はそんなに変わらない書き方をしていて、火星や木星との違いをさりげなく表現しています。
    70年代で既に携帯パソコンや名刺交換代わりのIDカードでのデータのやり取り、スターウォーズ30など、ちりばめられた未来感覚は沢山あるけれど、それらの小道具にばかり依存せず、世相や社会と太陽系開発のかかわりといった物語の動かし方が、やっぱりプロなんです。
    100年後にスマートフォンは無いんじゃないかなあ。けっこう別のシステムに取って代わられていそうな気がします。腕時計サイズにおさまっていて、必要な投影情報は空間にディスプレイされるとか。その際、誰にでも覗けちゃうようではいかんのですが。

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