すっかり乗り遅れているフィリピン版「超電磁マシーンボルテスV」なんですが、メカ合体巨大ロボットのくせして後ろ姿がなんとも筋肉質レスラーっぽく描かれていたり、必殺技の天空剣スタンバイの描写が緻密だったり、ティザーを見たらものすごいクオリティでした。
その描写のカットはそりゃもう申し分ないのですけど、こっちのアニメーション版以外で、なんかどこかで見ていると、ずーっと引っかかっていました。
で、考えまして、考えまして・・・怖い考えになってしまった。
どちらも2000年1月から2月にかけて新旧交代したスーパー戦隊でしたが、2001年3月9日に、彼等の共同戦線が実現した「未来戦隊タイムレンジャーVSゴーゴーファイブ」がVシネマ形式のDVDでリリースされました。
まあそれだけの話で済ませるわけにもいかないので、そのシーンの切り出しを見てみると、特撮好きの地元民は隠れてにやにやしてしまう場所でロケ撮影が行われているのです。
もともと茨城県はドラマや映画の撮影ケースが多い都会と田舎の混在で、県庁本庁舎や付帯施設などは一時期、毎週爆破され木っ端みじんにされているほどです。
「タイムレンジャーVSゴーゴーファイブ」においては、つくばセンタービルやつくばカピオなどの都会っぽい背景で戦闘シーンが描かれています。このビルの中庭はある意味特撮聖地のひとつでもあり、古くは超電子バイオマンやら特警ウインスペクターほか、仮面ライダークウガ以降の平成ライダーものにもちょくちょく使われています。昔は、火曜日の早朝、という符丁が、撮影に来ている情報として地元では取り交わされていました。
もうひとつの現場が、霞ケ浦開発の地域還元策として90年代に建設された霞ケ浦ふれあいランドの虹の塔。電子戦隊メガレンジャーでは敵方のアジトというけしからん扱いでしたが、「タイムレンジャーVSゴーゴーファイブ」では東京湾に水没したゴーゴーファイブの基地ベイエリア55の後継拠点として、巽モンド博士が管理する研究施設で再登場し面目躍如しています。ただし現在は、コロナ禍対策ですべての施設が閉館という残念なことになっています。
警視庁が設置していた特別救急警察隊の発展経過として、二代目のレスキューポリスは特装救急警察と改められ、数々の科学装備を投入し、初代のウインスペクターと比べて大幅な拡張が図られました。重層型、軽量型の強化服と、小型重機に変形できるロボットで編成された彼ら、ソルブレインが活動したのが1991年。実はウインスペクターが1999年という設定だったのですが、ソルブレインでは新世紀まであと9年と語られ、時代のねじれがあります。
番組の世界観は今回除外して、30年前の特撮番組を振り返ると、この特救指令ソルブレイン以外だと鳥人戦隊ジェットマンと、不思議少女ナイルなトトメスくらいしかなかった時代です。ウルトラマンでもなく仮面ライダーでもない、スーパー戦隊とも一線を画すヒーロー像は、80年代の宇宙刑事ギャバンに始まっているメタルヒーローとしてシリーズ化されていき、ソルブレインは10作目にあたります。
アクトスーツや小道具だけでなく、車両(遂にスズキでなくなってしまった)に至るまで予算と手間暇をかけたため、怪人や怪獣相手でなく犯罪者確保に対して過剰装備と言われもしましたが、17作を数えるメタルヒーローシリーズ内でも特筆すべきレスキューポリス三部作(翌年に特捜エクシードラフトが控える)は、ソルブレインが最もバラエティーに富んだ作りでした。
この時代、東映は新機軸を産み出す意欲とパワーを有していました。毎年モチーフを変えていくスーパー戦隊という下地はありながらも、人造人間キカイダーやロボット刑事、変身忍者嵐のように別物へと水平展開していくヒーロー創造は、東映の財産と言えるでしょう。手を変え品を変えは現在の仮面ライダーでも行われていますが、どちらかといえば「なんでもかんでも仮面ライダーの冠をつける」手法へと変異しており、それはちがうよなと感じるのです。
ゴルザ、というのは「ウルトラマンティガ」の第一話以降、ちょくちょく出てくる古代怪獣のことですが、その第一話において出現したモンゴル平原(高原)から、わざわざティガの遺跡に封印された光の巨人像を破壊するため日本海を渡ってくるパワフルな怪獣です。なんでそんなに執着するのかなあと思っていたのだけれど、「ティガの遺跡 っぽい」を書いたときには意識していなかった、光の巨人は三千万年前に遺跡に実体を封じて宇宙へ去った、という設定が関わっているようです。
よくよく考えてみたら、三千万年前って、まだティガの遺跡が所在した東北地方はおろか、日本列島自体が無いのです。列島になる予定の陸地はおおかたが大陸の隅っこの沿岸部分で、その頃だったらゴルザも地続きの陸路だけで遺跡に辿り着けたはずだったのです。当時のゴルザが何をもたもたしていたのかまでは知りませんが、さっさと遺跡つぶしに行けばよかったものを、何世代かほったらかしにしていたがために(当時のゴルザとティガのゴルザは、たぶん先祖子孫の関係だという前提)、遺跡ができてから一千万年くらいの間に大陸沿岸はプレートの活動で引きちぎられ、東日本になる予定の大部分はついでに海中に没してしまったのです。
何らかの理由で覚醒した現代のゴルザは、モンゴルから沿岸まで出てきて、そりゃ驚いたことでしょう。遺跡が消失しているのですから。しかし怪獣同士の意思疎通なのか闘争本能の伝播なのか、時を同じくしてイースター島から別の怪獣メルバが復活し、これまた一直線にティガの遺跡を目指して飛んでくる。ゴルザはこれに導かれて、思わず日本海に泳ぎ出したか、海底下の地中を進んできたかで、秋田県に上陸しました。メルバもまた光の巨人殲滅という命令を何者かに刻まれていたようですが、どうやってティガの遺跡の所在を突き止めたのかは謎です。
この、何者かというのは超古代文明を滅亡させかかった闇の意志に操られた巨人たちであろうと思われますが、その背後に控えていたのはあまねく宇宙に拡散しているダークマターではないか。ダークマターは天の川銀河の九割を構成する謎に満ちた物質ですが、それがもたらす重力は地球へ巨大な隕石を衝突させるような軌道攪乱を起こす可能性があるといわれています。もちろん、これが巨人をかどわかし闇の勢力へ変貌させた意志とどうつながるのかは解明されていません。
ダークマター素粒子は地球内部にも存在しており、衝突すれば消滅する。その際の熱エネルギーが大規模な火山活動を発生させたという学説もあります。火山活動の原因はプレートの移動であり、地球表面が分断され大陸が複数誕生するだけでなく、複数のプレート境界線では広域火山帯の生成とともに日本列島のような特殊な地形をも生み出してきました。それらが地球内部と、太陽系規模の運行による銀河系での濃密なダークマター集積ゾーンとの接触によって引き起こされ、本来大陸の沿岸にあったティガの遺跡も三千万年をかけて移動していったのでしょう。
奇しくも三千万年という歳月は、多少の誤差もありますが、銀河水準面に対して上下方向に蛇行して公転する太陽系が、銀河系の中心部を通過する周期でもあり、銀河中心こそ塵、ガス、恒星、ダークマターなどの過密ゾーンなのです。闇の巨人を光の戦士へと導いた地球星警備団団長・ユザレがタイムカプセルを遺していましたが、あれを深く解析できていたら、そろそろ地球が危ない時代だよというメッセージが出てきたのかもしれません。
ウルトラマンティガも、もとは闇の勢力でしたが、現代においては地球人に刻まれていた光の遺伝によって、闇の姿ではなくユザレに諭され転生した光の巨人として復活したのは幸いでした。ただ、三千万年前というと、まだホモサピエンスは存在しておらず、狭鼻下目のヒト上科がオナガザル上科から分岐した頃です。テナガザル、オランウータン、チンパンジー、ゴリラではなく、ヒトへの成長種に光遺伝子が託されていた。これは奇跡です。ゴルザ、なにをのんびりしていたのか・・・
女性向け青年誌でオンライン配信となると、まったく守備範囲外だったので知りませんでしたが、気象研究と防災という舞台に放り込まれた女の子の目を通して、気象予報や災害を扱うのはジャンルとして面白かった。ただ、主人公の女の子を翻弄する研究者の青年の描き方は、いまどきこんなんでいいのか?と思わされるサイコパスでパワハラな・・・ふた昔前だったらそういうキャラクター設定はあちこちでありましたけど。まあでも、面白い。つくばの気象研なんか出てくるし。
BLUEMOMENT、の表題に目をとめたのも事実です。ヨーロッパで生まれた言葉ですが、僕なんか妙な時間帯に移動してますから、滅多に見られない風景でもない。要は日の出前のわずかな時間、明けてくる空が青くなって、周囲の世界も青に染まる自然現象。日没後にも見ることができます。漫画は明け方のそれをイメージに用いています。でもって何が2度目かというと、この作家さんは自らグライダーを操縦するそうで、以前BLUETHERMALという漫画を描いていました。
こちらは大学のグライダー部活に放り込まれた女の子が主人公で、上昇気流に機体を乗せていく天性のカンを見出されていく話で、僕は仙台時代に読んでいたため単行本を引っ越し荷物のどこかにしまい込んでしまって、読み返せないんですが、そこそこ面白い。2度にわたってBLUEを持ってきたからといって、僕と違って懲りない作家さんというわけではありません。僕はエスクードばっかりですが、作者・小沢かなさんはテーマを変えていますから。
ところで、滅多に見られない風景などと書いてしまいましたが、写真に残そうとするとそう簡単ではなく、それっぽく撮れたのはノマドで出かけた湯の岳での明け方だけで、先代らすかるでもBLUEらすかるでも美しい青の世界になりませんでした。こと今回は三脚も持たずに撮りに行ったので、よーく見ると手ブレしてます。チャレンジする人がいてくれたら、次の写真展の題材にこれを取り上げようかとは考えていますが、冬の間じゃないと撮りにくいんだよね。
仙台時代、震災後の地元FМ放送で「宇宙マーチ」の楽曲のみ音源が流れていた話を書いています。2013年の頃は浜通りもわずかながら、東北各地の被災地でインフラの復興が本格化し始めた時期で、ラジオ番組においてはトラックドライバーの投稿を読み上げるコーナーに使われていました。当時は「そんな音源があるんだ」と感心したものですが、今頃になってその楽曲を収録したCDを手に入れることとなりました。なんだ、2007年から売ってたのか(こらこら)
この楽曲は「キャプテンウルトラ」の後半のオープニング主題歌(どこか途中ではエンディングにも使われていたような記憶もあります)。1967年のSF活劇ですから、出てくるスチルの映像がどれもこれもチープですが、このCDジャケットの裏表紙にあたるそれは、中田博久さんの雄姿とともに、記憶している以上のかっこよさを写し取っています。
ラジオではBGMと思っていましたが、あれはカラオケの収録だったらしく、このCDには歌入りのオリジナルも入っており、冨田勲さんの楽曲と相まって、番組で脚本を書いていた長田紀生さんによる「太陽が燃えてる星が呼んでる」のおおらかな歌を、何十年ぶりでフルコーラスで聴くことができました。
宇宙マーチを好きな人は他にもいらっしゃるようで、前の記事の動画リンクが切れていたので入れ替えしましたが、この動画がまた、なるほどなあと感激させられる構成です。
21世紀最初のスーパー戦隊は、本来なら前年から放送され2001年2月11日に終了した「未来戦隊タイムレンジャー」で良いような気もしますが、その座は翌週2月18日から始まった「百獣戦隊ガオレンジャー」にもたらされます。しかし都合上、タイムレンジャーを今回は取り上げています。
西暦2000年の2月13日、29世紀末からやってきた4人の時間保護局員と、20世紀末の青年が結束しタイムレンジャーが未来戦隊として成立します。5人セットでないと、強化服などの装備が使用できない規定基準があるためだそうです。
そんなわけで20世紀最後の今日、タイムレンジャーは誕生したのですが、記憶によれば彼らは一度も「未来戦隊」と名乗っていません。名乗らなくても何一つ不都合は無いんですけどね。
ところで彼らは「スーパー戦隊シリーズ」という括りが制定されて初の戦隊であると同時に、同シリーズ25周年記念という冠も与えられていました。ここがないと「秘密戦隊ゴレンジャー」「ジャッカー電撃隊」は別枠扱いのまま(途中で超世紀戦隊何とかという括りもできてはいましたが)だったのです。まあまあいい仕事をした戦隊というわけですが、彼等には来月にもう一度登場していただくこととなります。
あらためてカラー画を眺めていたら、305飛行隊に「だんだら模様」が描かれていたのは第1話くらいのもので、後になるとこの塗装は680号機のパーソナルペイントに特化していたようです。なんでまたF‐4EJにあんな模様が描かれていたのかといえば、百里基地周辺が新選組の初代筆頭局長であった芹澤鴨の地元だったからだろうと思われますが、芹澤自身の出自は諸説あり、謎です。
もっと言ってしまうと、この飛行隊にはだんだら模様を背負った「681号機」もいたはずなのですが、知らないうちに居なくなっちゃってます。それらは別の話なので割愛。漫画家としては第一線を退いた新谷かおるさんの画集が、本人古希を迎えるこのタイミングで出てくるというのは、食いついた半面、新しい漫画はしばらく出そうもないなとちょっと寂しいものがあります。と思ったら、「まるぼしの681号機」が掲載されているという・・・
画集「新谷かおるARTWORKS」は「ファントム無頼」だけでなく「エリア88」や「ふたり鷹」「ガッデム」「砂の薔薇」など数々の作品を網羅して272ページに及ぶ集大成で、見応え十分です。だけど原稿紛失分は書籍から起こす作業までやったんだから、単発読み切りがオミットされるのは仕方ないけど、あと8ページくらいケチらないで「シリーズ1/1000sec. 」「銀河戦士」「ダブル・ニッケル」「烈風伝」「NAVI」「ドラゴン株式会社」なども載せておくれよと言いたい。
昨日、「シン・ウルトラマン」の特報映像が解禁され、従前から掲げられていた井の頭五郎立ちしているほんの少しエヴァンゲリオンっぽいウルトラマンではなく、わりと男前なウルトラマンの姿が見られてほっとしているところですが、当然のこと成田亨さんのデザインを踏襲するためカラータイマーは見当たりません。「活動限界時間」をどのように表現していくのか興味があります。まさか目が点滅するとか、その点滅色が変わるとかなんて安易なことしてほしくないけど。
よもや限界時間が近づくとしぼんであっちのウルトラマンになってしまうとか?
特撮に関しては樋口真嗣さんなので、特報に出てくるネロンガもガボラも、ウルトラマンとどう取っ組み合うのか期待大です。ドラマパートは、庵野秀明さんの意図するところかいかにもシン・ゴジラ風にまとめています。それもいいとして、これが科学特捜隊と呼ばれるのかどうか不明ながら、流星マークもデザインが一新されました。旧デザインを見慣れているので、なんとも言い難い。でもこれでかすぎない?って印象ではあります。夏前に公開予定。コロナ禍に阻まれませんように。
小学校の高学年から中学生時代、けっこうな量の少女漫画を読んでいました。エモーショナルな世界なわけです。いやそれこそ逆立ちしても加速装置は取り付けられないし、乗っていた自転車でサイクロンの真似をしたらジャンプの着地でフレーム歪むし、空にそびえる黒鋼の城なんかどこにもないんだけれど、少女漫画の世界はなんとなく日常のどこかにありそうで、好きだった女の子とそんな風になれたらとか妄想しちゃってた、中二病なんて言葉も無かった時代。
なかでも、田渕由美子さんの漫画は予備校生やら大学生やら下宿屋やら喫茶店やらが次々と繰り出されて、自分の将来脳内シミュレーションに拍車がかかる。他の女流漫画家とはちょっと違ったエキセントリックな登場人物(絵柄)と、細かいところに凝った小物やファッションのセンスが際立っていたのです。
とはいえ悶々としていた中学生もそのうち青年誌に移行し少女漫画は読まなくなっていき、7作目の単行本あたりを節目に彼女の漫画からも長いこと遠ざかっておりました。そしたら、
取り乱してしまいました。この記事を見つけるより先に、25日の夜に書店で現物を見かけてのことです。しかし、くらもちふさこさん派なうちの奥さんは彼女の漫画はほとんど読んでいないというし、娘らがわかるわけもなく、風花さんがいくらかかすっているくらい?(知ってるかどうか聞いたことない)