今年夏の開催で38回にもなるトライアルバイクの競技、イーハトーブトライアルは、内陸の七時雨山荘から普代村の黒崎までを2日間にわたって往復しながら、ルート上に設営されたトライアルセクションに挑むイベントとして知られています。このルートにあたるのが、岩手町から普代村にかけての北緯40度線に沿った、道だったり道じゃなかったりの横断ラインです。
これをまともにトレースするなど、エスクードじゃ話にならないので、普代村から県道と国道を使って、限りなく北緯40度に沿って西を目指す。というのが、長年考えてきた企画です。
これが実現に至っていないのは、ゴールに男鹿半島の入道崎を設定しているため、少なくとも2泊の宿を確保しなくてはならないことで、最低2泊3日(現地への移動往復は考慮していない)もの参加者拘束が無理だよねという点でした。
ではルートの上でそれができるのかどうか。すべては天候と道路状況次第です。イーハトーブトライアルのコース下見はちょうど今の時期に行われているので、とりあえず国道45号から国道4号までの横断区間のうち、国道281号線か340号線に出られる第一ステージ分として、てくてくとエスクードルートの検証に出かけました。
普代村からいきなり三ケタ県道へ分け入るのですが、山村をいくつも通過しながら渓流に沿って進む道は、てくてくと出かけるには快適。しかし当然ながら対向車とは絶対にすれちがえない区間も、大雨だったら封鎖される場所も、落石多発ゾーンもあります。それでも、これほどの山間部に集落も廃村も、集落以上の町もある。県道沿いだしな、と思っていたら、最後の集落を抜けたところでこれが舗装でなくなり、だけどバディなしでは危険であろうとこの県道はあきらめ、町道レベルながら往来の在りそうなルートへ切り替えます。この町道も、普代村の起点から40キロほど経過したところで未舗装に。するといよいよ、39度59分台だったGPS表示が40度に入り込みます。
問題は、最後の町に入る時点で「葛巻まで63キロ」と書かれていた表示が大いに気になります。まさかなー、今は良く整備されているけどこの砂利道がこのあと全部安定しているとは限らないしなー。ひしゃげていた当分の間通行止めという看板はどう見ても撤去されて打ち捨てられているようだけど・・・ などと恐る恐る進んでいくと、地図上に久慈方面と葛巻方面への分岐点まで現れる始末。どっちに行ったらいいか、地図上ではわかりません。まあだめならだめでね、とぼとぼと来た道を戻ればいいのよと、その分岐まで行ってみたら、いきなりセンターライン付の舗装道路が、明らかに葛巻に行けとばかりに伸びているではありませんか。
この快適極まりない山岳道路は、この後どんどん高度を上げていきます。いや、だけどさ、普代村からこっち、山また山の中の延々50キロだよ? と思っていたら、最大高度で標高1200メートルまで上がるではありませんか。こんな道、作った人に感動だわと最後の登坂を上りきったら、それは拍子抜けするほど知っている風景でした。
葛巻高原の牧場地帯と、風力発電所のあるその場所へは、岩泉町から葛巻へ向かう340号沿いからはやって来たことがあるのです。なんということだ、その延長上に今日走ってきたルートがつながっていたとは・・・
やっぱり天候と道路状況次第か。雪解けしてからイーハトーブトライアルまでの間が実行期間でしょうか。ここからは281号へ下り、4号線と282号線の40度線モニュメントを押さえれば、前半戦はクリアです。後半戦は八幡平アスピーテラインを駆け上がることになりますが、それはまたそのうちに。
この迷走は5月27日に行ったんですが、30日の午後に比較的近くの山林で山火事が発生してました。火元ったら煙草の投げ捨てか? そりゃやったらいかん。