それほどまでに初代モデルに入れ込んだ思いの中で選択するのは、現時点で手に入る最良の考えとして、TD61Wとなるのです。なぜならば、その状態が最も良いコンディションを残しているからなのです。
この期に及んで68000キロしか走っていない個体なんて、どこから持ってきた?と言われることでしょうが、おそらく11Wシリーズではそろそろ探すのは困難になってきました。
そして、一昨年あたりから、それまで整備性の問題で敬遠されていた2000cc以上のエスクードが海外に流出し始めている現状も見過ごせないのです。1600に至っては、もっと少なくなっているのかもしれません。
その夜、富士川SAで残り燃料を計算しているところへ入ってきた最初のメールは
「一年半ぶり! 涙が出そうです」
ラジアントレッドマイカの1600ノマドから、マイアミブルーメタリックⅡの5ドア2000にスイッチして、その個体を破損させてしまった彼は、どこからどのように修復するかで長く考え悩んできたのですが、これまで組み付けてきたパーツを2500のV6に移植して乗り換えることを、最終的に選択しました。あとは、その対象となる個体が出てくるかどうかでした。
かくして(ほんとに隠してた状態)春先のBレイドの頃にはこの個体は確保でき、健在なパーツの移植を2か月ほどかけて進めてきたのが、このエスクード。
「こんなにシルキーなエンジンだとは思わなかった。だけど燃費はよくなさそう」
「そんなことはない。俺は今、600キロ無給油行の最中なんだぜ。気になるんだったらそのでかいタイヤをやめろとまでは言わないから、屋根の上のラックを取っちゃえよ」
「いやいや、だってこのラックは、お互いアイデンティテイみたいなものじゃないですか」
ちょっとびっくりな返事でした。ノマドから乗り換えた2000は直4だったけれど、BLUEらすかると同じ車体色で、まるでBLUEらすかるをより明確にクロカン仕様に仕上げていくという方向性だった。それは自惚れになるかもしれないけれど、エスクードを選択するという基準のどこかに、うちの車やら、それでやっていることやらの幾ばくかを汲んでもらえているのかな。と・・・
「クロカンは自分でできる範疇で続けますよ。だけど今度は、壊さない状態に車を仕上げてからにします。だからもう少しいじる。そんなわけで、やってくれるところ、紹介して」
こういう形で、この20年近く、エスクード仲間とのシャングリラへのいざない合いは続いているのです。ただ残念ながら、この61Wは初期試走の段階で駆動系にトラブルが発見され、まだしばらくフジ・オートのピットに預けられることになりました。
秋が来るまでに解決してくれればいいのだけれど。
あれれ、これ贅沢にもクルコンとか付けちゃった人ですか、クロカンは辞めたのかと思いましたが・・・
車を見る限りでは、やめない方向たっぷりみたいですよー。