NASAが予告までして発表した「エウロパ表面からのウォータープルーム」の報は、長く語られてきた木星軌道上の衛星での生命活動を観測できるかもしれないという、とても夢に満ちたニュースでした。
『2010』では第2の太陽となった木星に対して、それを人類は自由にしていいけれど、エウロパにだけは触れてはならぬ。というメッセージが届きました。『さよならジュピター』ではことさら取り上げられませんでしたがあれには第2部の構想があり、木星大気圏内に浮遊していた半機械生命体の母船ジュピターゴーストが10万年前の地球に飛来していて鯨に歌を教えるというプロットがあるから、ひょっとすると木星に引き上げる際鯨の一頭や二頭連れ帰ってエウロパに放しているかもしれない。
『逆襲のギガンティス』に至っては・・・まあこれは木星軌道近辺の小惑星の破片らしいのでエウロパではないですが、人類またろくでもないものを掘り当てちゃいます(挿絵)
氷の月とあだ名されるエウロパは厚さ3000mほどの氷層で覆われており、2013年にそのクレバスから噴出する「水」が観測されています。28日の発表では、今回観測された噴出が高さ200kmにも達するというニュース。仙台で噴出した水柱が水平移動できるなら、盛岡を越えてしまうという、たとえ方を間違えると冗談にしかならないスケールの自然現象です。
NASAは2020年にエウロパ観測ミッションの実行を計画していて、仮にこのウォータープルームに探査機器が接触できれば、エウロパに埋蔵されているという水を採取でき、そこに生命の有無を確かめることができるのではないかと考えていることから、予告を経ての大きな発表として耳目を集めているのでしょう。
見つかっても見つからなくても、地球内生命に悪さしない展開と結末になってくれなければ、夢というより心配。