「7月15日の『美しい機体』、情報が古くて間違っているよ」
古い友人から電話がかかってきて、「フラッシュバック2012」に出てくるVF-4は「ライトニングⅢではないし、そもそもVF-4Gじゃない」と言われてしまいました。
「面白い本を送るから、それ読んで脳内データのアップデートをしなさい」
で、読みましたよ知りませんよこんなムックが出ていたことなんか。それでもVF-4についてこれだけ後付け開発史を書き込んでくれるのはうれしいことで、基本的に「一条輝のテスト飛行中の殉職」「VF-4の大気圏内運用問題」という僕の、それこそふるーい昔のマクロス本の情報は書き換えなくてはならないことを認めさせられました。VF-4はむしろVF-1の宇宙戦闘時の運用時間の短さを補うために開発されたというのは、昔は無かった設定です。
しかしそこから自習していって、VF-4の開発黎明期がマクロス進宙式以前に始まっていた点は納得できる話。そうでないと二番艦メガロード進宙時に部隊編成できるはずがない。けれどもその開発経緯が急務で、この頃はせいぜいガウォーク形態までしか変形実用しておらず、それどころか空間戦術において変形機構なぞ要らんわ、という、初期のVF-4デザイン時のファイターモードしか描かれなかった逸話をうまいこと利用した新解釈も面白いです。
翻って「フラッシュバック2012」では、どうにかこうにか形になったVF-4が納入された時期で、これはVF-4A型。ライトニングⅢはVF-4G型まで進化しており、ファイター時の背中のラインなどが微妙にスマート化されたり、わずかに機体サイズも小さくなっていたり、その中に三段変形機構も盛り込んだ優れものになっていました。これがなんと、ロールアウトが2019年で、2020年からF型以前のVF-4やVF-1と入れ替えが始まっているという記述に、思わず空を見上げちゃうのでした。
「意外だったのは、雷蔵ってどっちかというとYF-19みたいな前傾翼が好みだと思っていたんだけどねえ」
後日再び、お礼の電話を入れた際に友人は言ったのですが、それもまた当たってはいます。そして前傾翼のVF-4も存在した(設定上で)という同書の記事や図版に、ハイメタルをもう一機買って翼を付け替えるべきか?などと危ない考えが湧いてしまっています。