故・石ノ森章太郎さんが1971年に描いた「仮面ライダー」のマンガ版第六話「仮面の世界」は、日本政府が国民総背番号制を目論見、その制度を何に使うのかは不明ですがこれを管理するための巨大コンピュータを秘密裏に建造しているところへショッカーが受注企業を乗っ取り、受注企業が販売するカラーテレビと腕時計を送受信端末として扱い、日本人を催眠制御下に置いてしまおうというプロットでした。半世紀前の連載漫画が、時代を先取りしていたかのようです。
世はインターネットと移動体通信端末に半ば支えられ、自宅に居ながらにして世界中の様々な対象とつながることができる。その様々な対象の中には、利益の享受もあればリスクの代償もある。半世紀前のマンガにおいてショッカーはその隙間を突いて世界征服の一端を切り拓こうとしましたが、もちろん仮面ライダーによって阻止され、事態の全容を把握できないままの国民は、知らされたニュースをもとに「黙ってそんなことやってたのか総理辞任しろ」と声を荒げるのです。
国民健康保険証(紙ベース)が来秋にも原則廃止され、マイナンバーカードに紐づけされるという、情報リークから事実上の会見発表で、そもそもマイナンバーの原点が政策側の使い道として見え始めるのですがそれはさておき、あと1年で全国の医療機関の隅々まで、これに即応できるインフラが整うのだろうかと疑問に思います。聞けば現状でマイナンバーカードの保険証機能に対応できている医療機関は3割程度だと。
デジタル庁だとかDX戦略だとかが聞いてあきれる話。そういえば古いバージョンのETCもそろそろ電波法違反の周知期間が終わる頃のはずだけど、いつまでだよというアナウンスが明確に出ていないような・・・