「すずめの戸締り」を観てきた霰が配信ものの「天気の子」を茶の間で流しながら
「うーん、そうか。前作のグレーゾーンぎりぎりにはみ出たところを『すずめ~』は上手に回避しているなあ」
とか言うわけです。世界観は好みながら、ある一つの設定が僕は嫌いで、「天気の子」は低評価なのです。
そんな話をしたことがあったからの感想なのだろうと思い、どんなんだか知らないわけにもいかぬと、いわゆる新海誠作品を初めてスクリーンで観てしまいましたよ。意外ととられましょうが僕は「君の名は。」すら劇場では観ていないのです。
エンターテインメント性を高めてからの3作目として見ると、数を重ねるごとに物語がわかりやすくなっていると感じましたが、それ以前の5作と「君の名は。」が比較されたときのように、マニアックな部分が薄れているのも仕方がないかと思い、それとは引き換えに毎回扱われるカタストロフなところはずっと現実に寄せてきた。
内容として触れないことが観ていない人へのルールなのですが、僕は東北の8年間で、幼少期のヒロインのような小さな子たちを何人も見てきたので、「心が欠けていても生きていくことはできる」という新海監督のメッセージは功罪両方に突き刺さります。物語の細かいところを突っ込んでも無粋なだけなので、「そんな境遇でも生きていかなくてはならない。のではないの?」とだけ言いたいけれど、前作における主人公の扱いよりはずっと良かった。
先日、ぼくも劇場で観て来ました。
今回も、スケールの大きな展開でしたね。「君の名は。」「天気の子」にも劣らず、良作だったと思います。
「天気の子」はぼくは悪くなかったとは思うが、登場人物たちの行動が大反れていて賛否の分かれるものになりましたね。(新海監督も、それは覚悟したと述べていました。)
幼少の頃に、災害や事故で母親を亡くしたという設定は、細田守監督の「竜とそばかすの姫」の主人公と一緒か、と思いました。
今回も災害がテーマだったが、いつどこで大きな災害が起こるか分からないですね。ぼくも心しなくてはならないかと思いました。
またテレビ放送があったら、見たいと思います。
今作はロードムービー的なストーリーで、旅好き、ドライブ好きには楽しめると思いました。
僕は東日本大震災のときに仙台で被災していますが被害は軽微で、転勤したばかりということもあり何ができるわけでもなく傍観者の域に位置していました。
宮城県の石巻で、銀行の前に立っている仮面ライダーの立像を、恨めしそうに見ていた男の子を見たことがあります。ヒーローは助けに来なかったという現実です。
そういった境遇の人々をたくさん見てきたので、この映画はデリケートなとらえ方をしたくなるわけです。作り手と僕の決定的な違いは、傍観者でしかなかったとしても、僕は被災者の一人で修羅場にいたということです。
津波にこそのまれませんでしたが、烈震の3分半で「これは死ぬな」と覚悟しましたから。
11年して、災害の記憶を風化させるさせないという主観は、扱いを間違えてはいけないけれど、(できれば能動的に)流れに身を任せるしかないのが傷を負った人々の心情なのではないかと思っています。
それこれを考えてしまうと、やっぱり災害に対する傍観者の作る映画だなあと感じます。
あのとき、この世の終わりという事象は、本当に起きたんですよ。