モータージャーナリストとやらは優先的に試乗機会が与えられてうらやましい限りで、eビターラの試乗リポートもよく見るようになりました。今回目にした記事の何が上手いかって「欧州コンパクトカー」という表現を使っていること。近年では欧州車も大柄になっていますが、この言い方をすると、定義は曖昧ながらもBセグメントだという印象を与えるのです。このあいまいな定義で言うと「全長4,200 mmくらい、全幅1,700 mmくらい」に収まっているのがコンパクトクラスでした。
eビターラ
ホイールベース 2,700mm
全長 4,275mm
全幅 1,800mm
全高 1,640mm
車両重量 1,760-1,799kg(2WD)
グランドエスクード
ホイールベース 2,800mm
全長 4,640mm
全幅 1,780mm
全高 1,740mm
車両重量 1,680kg
三代目エスクード
ホイールベース 2,640 mm(5ドア)
全長 4,420 mm(5ドア)
全幅 1,810 mm
全高 1,695 mm
車両重量1,600 kg(2.4 L 5MT車)
エスクード5ドア1.6XS 5MT
ホイルベース 2,480mm
全長 3,975mm
全幅 1,635mm
全高 1,700mm
車両重量 1,220kg
という比較で見たらば、上記車種でコンパクトクラスと言えるのは初代エスクードのロングモデルだけです(二代目も1.6の5ドアなら収まる)。乗って慣れちゃえばどうってことないんですが、グランドエスクードでは長さが気にかかり、三代目では車幅が路地裏で怖かったですから、こんな非開放系な窓のeビターラも、全長は短いけれど取り回しは良くないと思うのです。という部分に関しては興味深く読んだんですけど、肝心の試乗記については中身がまるでない。それはライターが悪いわけではなく、メーカーが泥なり砂利なり急登坂なりの悪路セクションを用意していないからです。
仮にタイヤ半分水に浸かるようなところで泥水跳ね上げて走ったら、eビターラのBEV性能ってどうなるのか。ディーラーでお客が聞いてきたら明確に答えてくれるんだろうか。悪路だ雪道だと無い物ねだりしてもしょうがないですけど、読み手はこういうのを知りたいんではないか。もっともこれ、ムック誌の焼き直しですが(焼き直しでもオリジナルではそこを試走している)