聞くところによると、広島や福井を主体に開催されていたJXCDが本年は競技自体行われないとのこと。エントリー人気の動向は判りませんが、スポンサー離れに直面しているのかもしれません。笑えない現実はTDAにもふりかかる可能性がありますけど、島雄司社長に尋ねると「まあ私の力の及ぶ限りは続けていきますよ」と元気そうでした。
しかし活気のある九州ダートラ市場にも変化が起きているらしく、ジムニーのワンメークレースや、パジェロJr.のワンメークレースといった、新しいビジネスチャンスが持ち込まれているとか。
当然、ウエストウインにもチームではなく企業レベルでの誘いが入っているそうで、島社長も元気なところとは別に眉間にしわを寄せています。
「それぞれの主催者がビジネスライクにものを考えることは自然の流れですが、すべてにかかわっていったらTDAが些末になります。私自身もそれらの組織に取り込まれれば、チーム監督としてウエストウインを率いるわけにはいかなくなる」
強豪揃いのJXCDが無くなったことで、ウエストウインが格上の排気量勢に挑むという遠征先が、新たな企画においてはことごとく「ワンメークレース」の条件に阻まれてしまうのも悩みの種のようです。遠征自体がチームのモチベーションにつながってもいましたから。また別の視点で見ると、TDAを走りきった。ステップアップしたレースに行きたいという出場者も出てくることでしょう。
「うちとしては、TDAを通じて、1ランクも2ランクも上のステージで戦えるドライバーを育てたい。これは何もウエストウインのチーム内からでなくとも良いのです。そのようなレースの中に、型にとらわれない楽しみを醸成したいんですね」
島社長の理念はそこにあるのですが、イベントが群雄割拠してくることは、TDAそのもののスタイルを固持すると参加者離れが起きないとも限らないし、スポンサー側の選択と集中という懸念も出てきそう。
それにしても、TDAの枠内とはいえあれだけ猛威を振るうエスクードの存在にもかかわらず、ジムニーとかパジェロJr.とか。アフターマーケットありきの企画ビジネスな構図が見え隠れします。エスクードじゃそこまで市場を掘り起こせない。だけど仮にエスクードのワンメークレースなんてやられようものなら、貴重な個体がことごとくぶっ壊れていくので、それはそれで「やめてーっ」と叫んでしまいそうですが。