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  ~懲りない傾向~

この宇宙に愛を

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「超人ロック 憧憬」が出版され、これで本当に聖悠紀さんが描いたロックは、未発表原稿でも出てこない限り最後の一冊となりました。今後しばらくしてどなたかが新章の扉を開けるかもしれません。「憧憬」で既に、アシスタントの佐々倉咲良さんが最終話を描いています。幾多の漫画がそうやって描かれています。でもやっぱりそれは多元別次元の超人なんですよ。むしろ「憧憬」に登場する海賊が語っているセリフ(本書の帯にも記載)こそが、永遠を紡ぐのかもしれません。

この本、別章の「ロックインザボックス」との二本立てなのですが、こっちはスラップスティックなコメディー仕立てながら、多元宇宙のロックが大勢出てきます。人それぞれの中の記憶や記録が永遠を紡ぐ手立てになるかもしれないと思わせる、不思議なカップリングになっています。

銀河のスパーク流星のスピード

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ぼちぼち本年のヒーロー周年ものも店じまい時期です。1993年12月5日は、「ウルトラマンパワード」の第1話がビデオリリースされた日。ハリウッドで初代ウルトラマンをリブートさせたことがエポックでしたが、ウルトラマンの造形についてはアメリカに日和りすぎた感が否めず、誰の演出なのかM78から来た異星人なのに(日系人と融合したからなのか?)決めポーズの一つが合掌という妙なキャラ感で浮いた部分もありました。

特撮技法についてはオープンセットや操演など、意外と古典的な手段を効果的に用いており、脚本(ベースを執筆した伊藤和典さんと山口宏さんの進言と、向こうの作家側のテイストがうまくまとまった)も初代リブート+αな秀作だったと思います。ただこのウルトラマンは戦い方にも演出上の制約を受けてか巨人らしさの表現か、序盤は鈍重。相撲の鉄砲が意識されているようですが、関取だってもっと俊敏。

防衛チームのセットや航空機のデザインはウルトラマンよりも(趣味的にですよ)よく出来ていました。際立ったのは変身に用いるフラッシュプリズムが独鈷杵の形をしていること。いかにも密教なんですが意匠のまとめ方もさることながら、これを握った変身のシークエンス時、初代の縦型ベーターカプセルは発煙筒でも焚くのか?な姿なのです。横型のフラッシュプリズムはごく自然に拳を突き上げることができる。玩具の中にも異星の工業製品的なテイストを産み出した傑作です。

知らなかったわその誕生日

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12月になってしまいました。個人的に昨年の11月以降腑抜けた生き方をしてきた僕ですが、年が明けたら喝を入れ直そうと思うだけは思う最近です。

そんな折、因果な12月1日を初めて知りました。宮水三葉と立花瀧って、それぞれ1996年と1999年の12月1日に誕生していたんです。だからどうしたかというと、1996年はうちのV6‐2500のエスクードの年式。1999年は第一回目のつくばーどを開いた年でした。

いや、だからどうした? な話なんですけどね。そもそも12月1日の日付はどっちにも関係ないし。

そういえば「君の名は。」を生意気にも再解釈しながら映画化するとかなんとかハリウッドが息巻いてから、もう6年経っちゃいましたよ。脚本上がったんでしょうか、キャスト決まったんでしょうか。←本日の記事に関しての逃げ口上。

「素晴らしすぎて泣けてくるねえ…この眺め」

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2023年11月12日に、大気圏再突入時のトラブルに見舞われた宇宙飛行士ブライアン・Jは2人のクルーと共に殉職しますが、そんな事象のフィーチャーなぞしたくもない。だけど近未来が現実に追いつかれてしまったのです。

アルテミス計画におけるオリオン宇宙船の大気圏再突入日からミッションに基づく逆算をすると、1日か2日の誤差を考えながらもたぶん本日11月6日あたりに、彼は月への置き土産を設置しているはずです。

この人形は、3年後に南波日々人が発見し、6年後にブライアンの兄・エディが彼の分の人形を持ってくるまでずっと、時を刻み続けます。元々はブライアンが産まれた年に月面着陸を果たしたニール・アームストロングとバズ・オルドリンを模した人形でしたが、彼らは少年時代にこれを買い求め乍ら、自分たちも月へ行くぞと誓い合って、それを成し遂げた証なのです。

ブライアンとエディの物語は、南波兄弟のそれを先んじて語られる「宇宙兄弟」のひとつの在りようです。

それと同時にブライアン人形は月面で遭難した日々人の命を救い、その場所にブライアンと名付けられた酸素供給機器が到着するような、マンガだとわかっていても胸の熱くなる展開を見せ、エディのミッションチームには兄の六太が同行しており、南波兄弟の月面でのそろい踏みに導いていくのです。

連結メカニックは日本のお家芸というべきか

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先日、「0(ゼロ)テスターが放送50年」という内容の記事をインターネット上で見かけて、大昔に分離できないミニカーサイズのテスター1号廉価版玩具を持っていたなあと思い出しながら、当時ってあちこちで「サンダーバードに追いつけ追い越せ」のメカニック設定が盛んだったのかと感じました。エポックメイキングはウルトラホーク1号、これにシュピーゲルが追随し、アニメの世界ではテスター1号が先鞭をつけたのです。

3機合体というシステムは「サンダーバード」では少なかったギミックで(映画版には唯一、ZERO-Xという4段式宇宙船・探検車がゲストメカで出てくるけれど)、レギュラーメカニックとしては「謎の円盤UFО」でスカイダイバーやルナキャリアが登場しますが母艦・母船との分離は2分割でした。むしろその方がリアルで、3機ものフォーメーションでドッキングなんて、玩具売らんかなの前提とはいえ無茶なシステムだと今更ながらに思います。しかしそれこそが日本のお家芸で、枠を拡げれば3機どころか5機以上のメカ合体は呆れるほどの数に上ります。変形して合体するとヒトガタにまでなっちゃうし。

「0テスター」には2号機以降のまさしくサンダーバード的な展開もありましたが、テスター1号の合体分離ギミックが特撮からの継承を果たします。これが翌年の「宇宙戦艦ヤマト」でぶった切られながらも、ウルトラホークに始まる3機構成メカニックは折に触れ登場を続けました。しかし主役を張ろうとすると巨大ロボに行ってしまった感もあり、「0テスター」の正統とも言うべき巨人や巨大ロボに頼らない合体メカニック主体番組は「科学救助隊テクノボイジャー」まで約9年を待つことになります。が、「テクノボイジャー」はTB17号まであるという破天荒なマーチャンダイジングものなのに、打ち切りの余波を受けて玩具が全く発売されずに終了しました。

この半世紀に出てきた乗り物系合体メカニックは枚挙にいとまがなかったと言えるのですが、最近はなりきり系の変身アイテムや武器に取って代わられ、こうした航空機や宇宙船ものが激減してしまったのは寂しい限りです。

tell us what is left in the end

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ついうっかり、21日に書くべきだった「銀河漂流バイファム」のことを忘れていました。因縁なのです。40年前の10月21日、僕はその第1話を見逃していました。つまり「なんてこった。またやっちまったぜ」です。「聖戦士ダンバイン」「装甲騎兵ボトムズ」に対して、見比べてみれば極めて正統派なロボットアニメであり、しかも当時の日本サンライズ得意の何かしらモチーフを持ち込む作風に「十五少年漂流記」をあてがった群像劇でした。

監督の神田武幸さんもキャラクターデザインの芦田豊雄さんも既に鬼籍に入って久しい人たちですが、このコンビならではの味のある物語。十五ならぬ13人の少年少女たちを、四十数光年離れた地球へ帰還させるという初期のプロットは、それでもつのか?とも思わせ、またぞろ打ち切り路線かと思いきやファンの直訴で梃入れも行われ、めでたく大団円に至りました。大河原邦男さんのロボットデザインがあっさり目なのも好感を持てました。

結局全46話を通してすべて見ることにはならなかった本放送でした。実際に途中で終了してしまった地方もあるとか。僕は運良く最終回をリアルタイムで目にすることができたのですが、第1話からのオープニングラストで飛んでいた折り紙飛行機が、大団円を飾る伏線だったことを知るに至って、こんな素敵なジュブナイルを作るとは!と目頭を熱くするのでした。TAОの主題歌は斬新で、渡辺俊幸さんの楽曲も心地よく、贅沢な番組だったのです。

 

タイムマシンが完成した日

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タイムマシンと言っても古今東西様々な機械が考案されているので10月25日と一概に決めつけられませんが、あのデロリアンDMC-12をベースとした、ドクことエメット・ブラウン博士によるタイムマシンは、1985年のこの日に完成しています。タイムスリップに必要な1.21ジゴワットの発電を行うため、ドクが選択したのは原子力。この人は意外にあこぎで、原子炉用のプルトニウムを、テロリストをだまくらかして強奪させるマッドサイエンティストです。

ドクがタイムスリップの原理となる次元転移装置にひらめいたのは1955年。30年かけてこれを作り上げ「見た目がかっこいい」という理由でDMC-12を筐体に用います。現実的な原子炉がこのサイズに収まるのか?と常々思っていますが、これがプルトニウム枯渇で使えないとなると、落雷の電気エネルギーで代用するアイデアを繰り出すほどの天才です。

残念ながら80年代までの技術では(ある意味では現代でも)、落雷の電力を捕獲し蓄電することは不可能のため、原子力に行ってしまうのはやむを得ないことですけど、この設定のために、唯一「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で納得できない部分が産まれてしまいました。

しかし、いわゆるpart2への布石となっているラストシーンにて、DMC-12に積まれた次元転移装置発電用システムは一新されています。そこで留飲は下がるのですが、それはまた明日のお話に。

 

話をモルんです

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国際単位系において物質量単位とされる「モル: mol」は、アボガドロ定数(よくわかってません)で6.02214076×1023個の、組成が明らかとなっている要素粒子又は要素粒子の集合体で構成される物質の物質量と定義されているそうで(ますますわかってません)、この数字を6:02 10/23に当てはめたのが北米の化学者たち。「モル」を記念する日として、10月23日午前6時2分から午後6時2分までをあてがっています。

この単位を持つ特殊波長粒子体で作られた擬似分子によって、あらゆる物理的限界を制御・虚無化する超次元物理学の産物が、「モルダイバー」の誕生につながっていると思っていたら、割と雑に「その理論に基づく超次元装甲のための擬似分子を生成する触媒が、モル鉱石と命名された」程度で細かな因果関係がさらによくわからないままでした。

「モル: mol」の提唱は1971年のことで、単に10月23日だから取り上げたのは、実は5年前にもやってます。それに絡んだ「モルダイバー」も然りなんですが、5年後にわざわざ持ち出してきたのは、まあその、「モルダイバー」が作られて30年目だからという、なんかそれ話題に困ってのことか?と言われそうなオチです。

無敵の超次元装甲と擬似分子効果を有しながら、モルダイバーが出てくると世の中ろくなことにならないうえ(活躍はしてますが被害甚大でもある)、主人公の娘がばかで私利私欲で有限資源のモル鉱石を無駄遣いするし、兄は開発者なのにその大半を偶然の産物で得たことから最大限の能力を引き出しきれないし、末の弟もまた自己中心迷惑やろーと、3人のモルダイバーがそれぞれめちゃくちゃなんですが、縦軸の外宇宙探査船計画を成功させていく物語は面白いのです。

共演ビッグバン1967

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最近「客演共演の後席」(競演と誤植だったので直しました)が、リピート閲覧の上位に上がってきましたが理由は不明です。そう言えばこの記事は特撮番組におけるウルトラセブンにスポットを当てたものの、それより早く共演していたゾフィーと初代ウルトラマンは「別番組の登場人物ではない」として外しておりますし、特撮以外で二大ヒーロー(登場キャラクター。アニメ番組に限ります)に広げたら云々で完結していません。

ゾフィーの初登場は1967年4月9日の「さらばウルトラマン」でしたが、これより早く共演が実現したのは「オバケのQ太郎」の第83話「Qちゃんパーマン大かつやくの巻」で3月26日。誘拐されたQ太郎と正太救出のため、本来なら番組移動するオバQの後番組ながらパーマン1号が1週間早く現れてしまった演出的番組宣伝でした。同番組は65年からの放送で、スポンサー紹介時に不二家のペコちゃんとの共演もありますが、これは当時ペコちゃん主役の番組が無いので審議です。

そのうえでさらに僅差の3月19日、劇場版「サイボーグ009・怪獣戦争」が封切られていて、劇中で009一行の乗り組むドルフィン号と「レインボー戦隊(ロビン)」がすれ違い、島村ジョーとロビンが手を振り合うという本編と無関係なサービスカットが存在しています。これらがすべて1967年の春に凝縮されているところがある意味エポックだと言えるでしょう、と結んでおきます。もっと古いのがあるかもしれないので。

 

地球にI LOVE YOU

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40年前、既に戦闘機やバイクがガシガシと変形し二足歩行ロボになったり歩兵用アーマーになったりしている中、AFVはまあともかく(まあ、ですよ)攻撃ヘリや戦車まで変形させねば商品も番組も成り立たない時代が席巻していました。ジープタイプの特殊車両でさえ乗り越えられない不整地でのゲリラ戦には、二足歩行で臨むしかない。という、某パト2でのカンボジア戦とは真逆の論理で企画をすすめたのが「特装機兵ドルバック」でした。

もっともその頃にはまだパトレイバー自体が存在しませんけど。

バルキリーやレギオス・トレッドのような流麗な三段変形とは異なり、四駆とはいえ密閉型操縦ブロックや手足を付けたら変形前の車体は肥大化しちゃうでしょ。という別の意味での潔さが主役ロボの無限(ムゲン)キャリバーにはあり、その割り切りが二足歩行形態になったときにスタイル上のかっこよさを演出しました。

これを放送していた当時、キャリバー(とガゼット)が、よもやトランスフォーマーに召喚されるとは思いもしませんでしたが、あちらの変形はもう何でもありだし、逆に玩具の方でそこにすり合わせるのが一苦労でしたから、メーカー違いなど知ったことではないスカウトがあったようで、玩具の方は版権問題やらに阻まれなかなか日の目を見なかった歴史があります。現在流通しているものも大分リデザインされましたが、ビークルモードはそれらしく進化しています。