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  ~懲りない傾向~

11月の傑作選な気分

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「ウルトラマンアーク」が面白いかそうでないかのことは置いときますが、7月の放送開始以来なんとも感情移入しにくい番組で、10月に一つの山場をこなしてウルトラマンアークがなぜ地球に来たのかの存在理由は描かれました。そのあとが妙ちくりんな展開で、前作「ウルトラマンブレーザー」の世界を持ってきて、これが今月末まで引っ張られるようです。当初「それはなんだかずるくないか?」と思っていたのですが、見たらこれがなかなか面白い。

宇宙侍ザンギルというバイプレーヤーが、ブレーザーにおいても名キャラクターになりそうな存在感でしたが、都合よく使い回された以上の役どころで少し安心。月末は遂に、ブレーザー自身が「自分のいる世界」のことは考えんでいいのだぞと言わんばかりに登場してしまうようです。こののめり込みようはまさに後年「11月の傑作選」と呼ばれるようになった「帰ってきたウルトラマン」の71年11月を彷彿とさせます。当時の現役視聴者世代には、ですが。

「11月の傑作選」などと言い始めた人たちは、多分僕よりもずっと年上世代と思われますが、「ウルトラQからウルトラセブンまでの第一期シリーズ」に対して「第二期はさほど面白くないけど11月の放送分だけは各話良い出来」という論調で、この論調が薄れたまま傑作選が語り継がれています。僕は「11月以外もそんなことねーよ」という感想ですが、そこは今回語る余地が無いので「アーク」に話を戻すと、あえて他所のウルトラマンを出すのは作り手の確信犯的企画でしょう。

他所のウルトラマン広しという中、ブレーザーは珍しくシリーズすべての関係性を断ち切って作られた(と言いながら過去の怪獣も出てるし、ザンギル自身が「ウルトラマンメビウス世界」とのつながりを持っています)独特の番組だけに、少なからず賛否両論並びたち、新しい語り継ぎが始まりそうです。こんなカードを切るなら夏休み特別編でも年末年始特別編でも良かったわけですが、わざわざ11月にやるというのは、ウルトラならではの演出と感じます。

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