元日早朝よりも更に早い時間に、我が家は初詣に出かけ初穂祈祷をしてもらう天狗の森の神社ですが、午前零時頃だと混雑しているので丑三つ時を過ぎてから山へ上がっています。するとまあ境内には人っ子一人いません。しかしこれが初日の出の一時間前になると、山頂付近の駐車場からあふれた車両が駐停車禁止も何のそので対面通行の道路の両側に駐車の列を作りやがります。
そこへまたあとからあとから登って来やがるわけで、冗談じゃないよと初詣の時間が真夜中になるのです。そんなことだから境内が閑散としている、ということは祈祷の客もいない、つまり神社の宮司も総代もアルバイトの巫女もほっと一息ついているところへのこのこと出かけていることになります。
お祓いをしていただく宮司は、僕の二級下の近所の後輩。霰が悪態祭りの取材対象にしていることから、親子で面倒をかけているのですが、総代も含めて誰も彼も親切にしてくれます。
静まり返った境内に、祈祷の始まる太鼓の根が響き・・・これは実際、すきっ腹だとずんずんと刺さってきます。それに続いて僕の名前が組み入れられた祝詞があげられ、玉串奉てんしてお札をいただき本殿を辞するのが、一連の初詣のプロセス。宮司や総代と対話ができるのも、真夜中で他に客がいないことひと時ならではです。
ここ数年、神社は悪態祭りで名前が知れ渡りましたから、変な祭りであるとか下種な罵詈雑言ばかりがクローズアップされてキワモノ扱いにも思えます。だけどそれらは供物の争奪にやって来る有象無象のことであって、祭りを主催している神社側は終始無言で大真面目にやっている。荘厳なのです。
かくして年中最初の祭事を済ませて我が家も2017年が稼働しています。天狗の森には今年もたくさん世話になるでしょう。ここぞというときには特権発動もやらないわけではありませんが、たいていの場合そーっと、静かに山と対峙するのが流儀。それは林道に分け入る際も同様です。それらの許しを得るためにも、元日の詣では不可欠です。