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  ~懲りない傾向~

謎の地球防衛軍 中編

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情報操作という視点での地球防衛軍の有名な逸話には、ウルトラホーク3号が偵察攻撃支援用のA型と、マグマライザー等資機材空輸用の大型輸送C型の2種類が存在するという後付け設定によるエピソードがあります。通常、ホーク3号は40メートル級の1号の約半分程度のA型が運用されていますが、ごく稀に、シルエットだけならほとんど同一の機体が、胴体内から極めてコンパクトなコンテナを吊り下ろし、その中から「全長24メートルのマグマライザー」が運び出されます。

これはマグマライザーの動輪と現用戦車などのそれを比較しサイズを割り出したことから、3号との寸法の矛盾が生じてしまったという第一の後付け設定によるものでした。しかしそれこそが情報操作の失敗(笑)で、C型の存在が露呈する瞬間だったのかもしれません。マグマライザー初出動の際、現場に出ているキリヤマ隊長は「出動要請」とは言っていますが、ホーク3号とは一言も言及していないので、飛来した機体が3号A型であるとは断言できないのです。

ただし、機体にマーキングされているコードはウルトラホークのようですから、3号でないとも言いきれません。そのため輸送機3号C型説が浮上したのです。このアイデアは地球防衛軍の装備を幅広く解釈でき、本来なら脚本の時点でそこまで気付いていれば良かったのです。現実には、やっちまったものはしょうがないで、C型説を唱えて防衛軍が秘匿していた情報が明るみに出たとするしかない(現場で神奈川県警と居合わせてしまったのと似たようなもの)はずだったのですが。

ウルトラホーク3号は偽装された人工滝の内側にあるカタパルトから、滝を突き破って出撃するのが有名です。しかし仮にA型とC型があるとして、19.5メートルクラスのA型ならばカタパルト射出推力でどうにかなるとして、推定80メートルと言われるC型で、この発進はかなり危険です。にもかかわらず、次にマグマライザーを空輸する地震源X事件の際、マグマライザーコンテナを搭載した機体はこの滝の裏側からいとも簡単に、いつもの様に飛び立ってしまいました。

呆気にとられていたら、現場に待機しているホーク1号の左翼側に着陸する機体は、なんと1号より小柄のあの機体ではありませんか! ななな、なんてことだっ! C型説崩壊の瞬間が2度目のマグマライザー出動時に既に起きていたとは・・・ もう「超小型マグマライザーも存在する」という新しい情報操作をするしかありませんよ。だけどその場合、今度はマグマライザーの寸法が6メートル弱のポインターよりちょっと大きいくらい、と納得してもらうしかないのですが。