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  ~懲りない傾向~

「続 ウルトラマン」だったとしたら 前編

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9月10日(便宜的に放送日)、地球は暗黒怪獣の接近で太陽系ごと丸のみにされ滅亡する危機に瀕していました。この暗黒怪獣がまたとんでもない存在で、北斗七星を飲み込み蟹座を食い荒らし・・・と、それぞれの星座を構成する星々がどんだけ離れているんだ?という突っ込みをものともせず、太陽系にやってくるわけです。しかし地球では星占い師の娘の予言や天文研究所の観測によって察知され、МATが活動するものの、この事実は避けられなくなります。

結局、暗黒怪獣は新ウルトラマンの活躍によって、意外と簡単に退治されてしまうのですが、地球を角砂糖の大きさにまで潰してしまう超圧力の怪獣体内で戦える新ウルトラマンの、どこが弱いんだよという新たな突っ込みをしたくなります。怪獣が退治されたことによって、星々は元の軌道に戻っていくという結末はもういいや、です。問題はそのことではなくて、この9月10日の出来事が、もしも「帰ってきたウルトラマン」でなく「続 ウルトラマン」だったらという話。

「続 ウルトラマン」は、「帰ってきた~」の前段企画で、ゼットンとの戦いから30年後、文字通りウルトラマンが地球に帰ってきて、МATとともに怪獣や宇宙からの侵略者と戦う設定でした。しかし完成した作品は、「ウルトラマン」「ウルトラセブン」とは異なり近未来色を引っ込め1970年代の日本を背景にしているように見えています。特に、前作ウルトラマンの模倣にしたくないという制作サイドの意志によって、昭和の世界がドラマにも強く押し出されています。

だから、もしも「続」の企画のまま新ウルトラマンが描かれていたら、この70年代の世界は30年ずれることとなるのです。それではその30年後というのはいつの時代になるのか? とりあえずウルトラセブンはすっ飛ばして、初代ウルトラマンの世界を引き合いにしつつ考えていく必要があります。ただし「ウルトラマンメビウス」がその考察を最後の最後で不意にしてくれるのですが、それらは後編で触れるとして、9月10日の話に絞っていきます。