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  ~懲りない傾向~

ガブリンチョな祖先と意外な子孫

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ディノチェイサー今回は、こちらのマシン趣味とは関係ない恐竜素体のロボ戦隊だから油断していたら、よりによって小型恐竜と小型恐竜の噛みつき合体でオートバイが出来ていまうという困ったアイテム。困っている割には2セット買ってしまうのも別のところで困りものです。

最初は、いったいこの恐竜は何をモチーフにしたのだろうと、そっちからアプローチしました。マシンの名称が「ディノチェイサー」と言うにしても、「ディノ」は恐竜の「恐」の部分の一般名詞でもあるし、単純にディノニクスというわけでもなさそう。

そもそも片方がディノスで、もう片方がチェイスって、それはこいつらの種族の後付俗称で分類学上の名前じゃない。それに二体とも形態が異なり、同族ながら別種なのです。

そうすると、こいつらはディノニクスやヴェロキラプトルを内包するドロマエオサウルスの種族ということなのでしょう。この種族は分類しきれないものも含めて31種いたそうですから、背の高い奴や低い奴くらいはいろいろいるだろうし、生息していた地域やその環境で、異なる形態に進化していたかもしれません。

しかし、なんでまた恐竜のくせに背中にハンドルやシート、下半身に見間違いようのないタイヤホイールをくっつけちゃったへんてこな進化を遂げてしまったのかは、かなりの謎です。これは「獣電戦隊キョウリュウジャー」に登場する、トリンという賢者の仕業らしく、地球の秩序を護る10体の十大獣電竜と、それを支援する獣電竜騎士団(おいおい)に、それぞれ異なる恐竜を選び出して、進化論からはかけ離れた形態・能力を与えたという設定があるようです。

それは長い地球の歴史の中で繰り返されていたはずで、ごく単純な道具であるハンマーを融合した獣電竜もいれば、ちょっと進んで自立回転動作するドリルをつけたものもいる。中には自身が分離して組み替えられ人型になってしまうとんでもないやつだっているわけですから、近代に入ってもこの進化を促す行為は続いていて、ディノスとチェイスにふさわしい融合相手が見つかるごとに、その機能を与えなおしたのかもしれません。

ハードボイルダーここまでは「キョウリュウジャー世界」のプロファイルでしたが、このディノチェイサーは、実にユニークな「噛みつき合体」です。他の獣電竜が基本的には三体以上でロボ形態(先に述べた人型は、一体の翼竜でそうなっちゃうのですが)になり、噛みつき相手を変えることで仕様も変化するのに対して、ディノスとチェイスは今のところ、この二種同士でしかオートバイ形態になれない。

ところが、これとよく似た機能を有する、けっこう奇天烈なスーパーマシンが、恐竜絶滅後6500万年を隔てた現代に存在しているところが「興味深い」部分へとつながっていくのです。

風都の鳴海探偵事務所に勤務する、左翔太郎が常用する「ハードボイルダー」は、車体の後部にオートバイ以外の異なるユニットを取り付け、空中戦や水上・水中戦にも応用できる優れものです。これがなんとなーくディノチェイサーに似ているねえ。というところで終わらせてしまうのは、賢者のしでかしたとんでもない進化の探求にならない。

ハードボイルダーは、翔太郎の上司であった探偵・鳴海荘吉のために、風都の平和を脅かす組織・ミュージアムと敵対する謎の女性、シュラウドが開発したもののようです。シュラウドはもともとミュージアムの身内で、組織を統括する園咲琉兵衛の配偶者でした。ここらへんの話は長くなるのでとりあえず割愛。

園咲琉兵衛は、人類の理想的な進化と称して、あらゆる知識や情報の根源ともいうべき「地球の記憶」を利用し、任意のデータを「ガイアメモリ」に封じ込め、その力によってメモリの使用者を異形の特殊能力者・ドーパントへと強制進化させていました。この「地球の記憶」がそれこそありとあらゆる地球の歴史を記録しているものなら、当然、獣電竜誕生の記録もモニタリングされていたはずです。その中にはディノスとチェイスの記録もあったわけで、そこからハードボイルダー開発のヒントが取り出されたのではないか?

しかも、この発想と実行はここでさらに二手に分かれます。ひとつはハードボイルダーそのもののコンセプトとして応用され、もうひとつはガイアメモリの新バージョンでもあるG2メモリの実用化。つまり、あの「仮面ライダーW」こそが、その成果なのではないかと探求するのです。

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