思えば「仮面ライダー」の40周年という年回りにあの震災が巡ってきたのは数奇な運命でした。
ちょうどその1週間前、大安売り だから人気?という記事で「ひょっとすると、誰かしら往年とはいかぬまでも素顔で出てきて『変身』を披露するのかもしれませんから、そこには淡く期待を寄せていますが、いきなり仮面ライダーに出てきてもらっても、あんまりうれしくないのが、とーちゃん世代の心理ではないかと思うし、記号化された『仮面ライダー』と、存在自体が仮面ライダーである連中との壁は、なにをやっても埋めつくせないような気がするのです。
せめて、仮面ライダーである以上は、役者さんを並べることができないなら、サイクロンから1台残らず、すべてのライダーにバイクをあてがうべき」などと息巻いておりました。
そしたらこうなったわけで、役者さんすべてでないにしろツボの中のツボを突いてしまうという大技の炸裂です。もうこうなるると藤岡弘、さんにはこんな衣装ではなくて、ダブルのスーツに大柄模様のネクタイ姿でハンドポケットスタイルで登場してくるシーンを入れてくださいよと切望するばかりです。そんなシークエンスがあったらきちんと褒めちゃいます。
しかしもはや物語の方に拠り所など感じていませんで、注目しているのはこの本郷猛が走らせているニューサイクロンなのです。車体右側のぼてっとしたチャンバー。2ストのニューサイクロン?
やはり震災のあったあの年、2ストの逆襲(いや今さらなんですが)という記事と、その捕捉で2ストの逆襲の拾遺というのを書きました。今回のニューサイクロンが再びRM250あたりを使っているとしたら、これこそがこの映画の見どころなのよと、小声でいいから言わせてほしいです。なんで小声かっていえば、CRM250だったら意味がないからなんですよ。
この写真が最近のですか?
ラジエターが見えない、フロントフォークの形状、ブレーキクラッチレバーに黒い皮膜
これはハスラー250の初期型ではないでしょうか?
RMなんかにしてはチャンバーが細いかなと思っていたのと、フロントフォークが違うよなあとも感じていましたが、ハスラーですか。
これが映画のスチルであることの証に、藤岡さんがじーさまになっていますでしょ。
ということは、最近まで使っていたRMにかぶせていたカウル類をTSに移植したんでしょうね。
いずれにしても、ハスラーであってくれれば、平成ライダーマシンはほぼホンダ製なので、これが昭和(スズキ)の逆襲なんですよ。