震災の年に国費投入が決まって仙台から八戸まで、予算化査定がなかなか通らなかった高規格道路を一気に作っちまえ。というのが復興道路で、これがあと5年くらいで全線開通すると、常磐道まわりで青森へ行ける。おおざっぱに三陸沿岸道路と呼ばれていますが、宮城、岩手、青森のそれぞれの土地においては区間ごとにかなり細かく〇〇道路と名付けられていて、とても覚えきれません。そのうちのひとつ、岩手県大船渡市の道の駅さんりくあたりから始まるのが「吉浜道路」です。
トンネルを挟んで2つの橋で構成される、約3キロは、来年3月末までに開通するそうです。峠を2つくらい飛ばすので、実に快適に釜石市へ移動できるようになりますが、そうなったらこのように自転車で走ったり映画上映したりはできないわけで、夏休み最初の週末に開通プレイベントをやってしまおうと、国土交通省や大船渡市や工事現場がいろいろな仕掛けを施しました。東北各地で土砂災害警報が出ていたのだから、朝のうちだけ雨というのは、まあ幸運だったでしょう。
坑内は風が通って涼しく、大船渡市のゆるキャラも出番が終わってくつろいでいます。何しろ1往復して6キロ歩くのに加えて、この道路は3%ちょっとの傾斜があるから汗だくになります。展示やイベントを見物しながら1往復したら2時間かかってました。まだ6キロ程度だから良かったけれど、岩手県内ではほかにもトンネルだけで片道2キロや4キロってのが工事中。次回からは部下を行かせよう。福島の新栗子トンネルなんか片道9キロ近くあるもの。もはや歩ってられません。
地元の人々がとん汁を振る舞ってくれましたが、背後にゆるキャラ(その名もおおふなトン。しかしこれには一部誤解在りと判明)の気配を感じると、申し訳ない気持ちになるのでそそくさとお暇して、一路種山高原へ。バカの一つ覚えで特製ラーメンを食うのですが、昼過ぎから空は薄日が差して、車に避難していたキャンプ客もテントの設営を始めていました。今夜は寒いだろうけど、宴会が盛り上がったら関係ないか。こちらは昼食を終えて広大な高原牧草地の西側の林道に出かけます。
東側と北側の空はどんより黒く厚い雲。まだ大雨洪水警報もあちこちに出ている状態。しかし種山西側の林道は森の中に薄い霧が出ているだけ。道が南西方向へターンすると、空は晴れ始めています。ほらみろ、俺は雨男ではないのだ。などとほくそ笑みながら進んでいくと、3年前には綱を張られていた分岐点がフリーになっている・・・ ありゃ? これ降りて行っていいの? というわけで、いつの間にか開削されていた新ルートに分け入りますが、それは長くなるので後日ね。