「平成狸合戦ぽんぽこ」が封切られたのは1994年なので、何も疑う余地のない平成の話とはいうものの、舞台となったその頃の多摩ニュータウンはあらかた都市化が進んでいて、あれほど急ピッチな大規模宅地開発は多摩ではなくて、八王子ニュータウンの方だよなあと感じていたのがそもそもの混乱の始まり。聞けばあの映画は、物語自体は開発初期の多摩ニュータウンあたりが取り上げられているのだそうです。
だけど、もしそうだとすると、狸たちが夜の森の中で化かしたこの小型4輪駆動車は、まさしく「お化け」以外の何者でもなくなってしまうのです。
うわー、やっちまってるよ高畑監督・・・とぼやいたところで、映画のタイトルに「平成」とあるんだから、もともとパラドックスをはらんだ作りとなっていて、スズキエスクードが出ていようがいまいがそんな細かいことはたぶんどうだっていいじゃんか。と蹴飛ばされるのです。
でも、化かされたというのはそのことよりも、先日の放送を見ていて「ありゃっ、ハードトップだよ」と声を上げてしまった僕のことなのでした。
今回の放送が2度目か3度目くらいのオンエアだと思うのですが、この映画は封切り当時はばからしくて見ていませんで、最初の地上波放送が初見でした。そのときは、何を勘違いしたか、このエスクードをハードトップではなく、白い幌のコンバーチブルだと思い込んでいたのです。
まあつくばーど基地なんて多摩ニュータウンどころか地上波デジタルへの移行時に「電波過疎地」に認定されてしまったド田舎でしたから、アナログ地上波のテレビ映りもまともではなかったので。
お恥ずかしい話ですが、つい先日、その誤認がとけました。
このエスクードは1型のようですが、たった1シーンの短いカットのわりには実に丁寧に書きこまれています。ドアミラーの下半分に影を入れるなんて、やらなくてもいいようなところをやってくれているので、ミラーカバーの形状ひとつがそれっぽく描かれています。