宮城在住となって5年めが暮れていきます。片道300キロを走って毎週ではないにしろ帰省移動するのもすっかり慣れてしまい、週末関東人の専売特許を奪ってしまったようなものですが、鉄道で東京まで2時間通勤していた生活に戻るかと言われたら、馬鹿らしくって考えたくもないライフスタイルが染みついてしまいました。
じゃあこっちに家でも買うか? とも思わないのは、思わないというよりいろんなしがらみを背負っているからでもありますが、あっちのほうが断然素晴らしいからでしょう。この写真のような景色のところに住居のひとつも提供されたら、いくらか考えなくもないですが。
夕暮れの蔵王連峰をパノラマできるこの景色は、ある知人のオフィスからのもの。もっともオフィス自体は彼の所有物ではないので、彼がここを去れば後任者と仲良くならない限り見物できなくなる。だけど「ふざけんなよこのやろー(笑)」と言いたくなる(最初に訪ねて行ったとき、言いましたよ)ロケーションです。
この5年間で、おそらく最も仲良くなった知人ですが、仕事を通して喧嘩から始まった間柄です。当時の部下の企画力の足りなさにも問題はありました。しかし転勤したての僕の目の前で、すでに出来上がって提出されていた部下の企画書を、正論と共にNGかまして放り投げた彼には、「なめんじゃねーぞてめーっ」と切り返すのが筋の通し方で、翌日新しい企画で啖呵を切りに行ったのです。
以来、悪友のような交流が広がっています。
ま、お互いそういうタイプなので、どちらも出世は無いんですけどね。このロケーションには負けたとしか言いようがありません。
「俺がいる間にさー、エスクード仲間を連れてきなさいよ。俺はエスクードに乗っていないけど(職場の車両はパジェロ)、案内できるところは沢山あるから」
年末の訪問のときに言われたとき、ああ、ざんばら頭なので気がつかなかったけれど、彼はそういう年齢に近づいているのかと、あらためて意識せざるを得ませんでした。
もう明日は来年なんですが、その来年の春、彼の残留が確定したなら、誰かを1人でも、ここへ連れてきたいと思わせる場所です。